【巡音ルカ】深雪のカタストロフィ

吹雪の中でひとり泣く少女は、なぜ泣くのか。
なんてことを考えながら作った曲です。
椿の花の暗示するものとか、逃避ゆえの狂気とか。
そんなものも歌った曲です。

深雪のカタストロフィ

作詞　秋月堂　　作曲　獅子神

瞳に溶けた　雪の一粒は　まるで落涙
泣かないでと　懇願されて　無邪気に笑う
次第に　吹雪く　視界　遮られ　世界混濁
氷点下の　爪先　刺せば　ザクリ、と鳴りて。

ママはどこかに行ってしまった　雪玉を捨て置いたまま
だけどひとりでがんばるわ　重ねた笑顔は無表情

虚空、削り、皮膚を、侵す、零度の、夢魔
嗚呼、精神（こころ）が根こそぎ衰弱してく
瓦解、連鎖、見れば、破片、まるで、絵画
何故、雪の国に愚者？　汚らわしくて
何故、血肉のように、柔らかい？

瞳に残る　椿　一欠片　不意に転がる
知らないのと　首振りしても　白銀を崩す
わたしは全て　色を取り戻し　現実逃避
嘘まみれの　朱の雪　踏んで　ゴロリ、と転ぶ。

パパもどこかに行ってしまった　靴下を捨て置いたまま
だけどさむくはないみたい　足首包んで暖かく

悪夢、覆う、椿、赤く、命、散らせ
嗚呼、首だけ積み上げ　ほら雪だるま！
怖い、嫌よ、怖い、嫌よ、怖い、嫌よ
何故、わたしの知る死者？　眼は五つ
何故、夫婦の顔が、縦並び？

みんな向こうに行ってしまった　首だけを捨て置いたまま
だけどわたしはここにいる　斬首の花園泣きじゃくる

ママが、降れば、パパが、降れば、わたしは、泣く
もう、血の色見えぬと背ける目さえ
赤を、忘れ、悲哀、傷は、雪は、深く
何故、誰かを殺すの？　憤る声
何故、お前はそこで、生きてるの？