しぐれ雨駆ける負け犬
紅谷（べにや）に傾くシャドウ
手練手管（てれんてくだ）のキツネも
間も無く消ゆる　夢の駅前
昨夜（ゆうべ）は粉々
ふいに降った　出遭いに
胸の谷間へ　切る　目の魔法

車のライトアップ　捻じ伏せるパドル
揺れの止まらない　目に映る　乗られ犬
夜空のアイロニー　蒸れそうな吐息で
飛んだ
呑まれひきずれ　　戸惑い気味に触れ
窓に濡れた二人連れ

飲酒運転は厳禁
胸の奥　本音隠して
野良の恋も稀（まれ）に極めり
『君の為に夢を獲った』

『どうだ？一面の夜景　君のものだよ』
金に糸目なく
目に生気もない　

寄り添う二人が　乱痴気にのっとられ
嗅ぎつけ群れるは　やはりクズばかり
巡るね　どこかで
人生はランナウェイ　『切る？』

呑んで呑まれ『いずれ』呑まれ呑んで『いずれ…』呑んで呑んで
呑ま呑まイエイ

昼間の窓に
劣等感のナイフに
昨夜（ゆうべ）乗られ犬
目の前まで
近付く　けど－

きらめくナンバー・ワン
もらってみてご覧
ねだって生きるって
そんなに　楽じゃないよ

『馴れ馴れしい犬ね』
ドアマンが引き連れ
飛んだ
脳蓋（のうがい）を打ち
ガタゴトと落ち
まさによれよれの
酔いどれ