A
其処（そこ）に何が在るの？　何もない。
　君の存在が語っている
背徳の味…何色？
　色褪せない…燃える緋かな？

A’
足枷はもう外れた
　そのくせにまだ、囚われの身
解き放たれた羽根には
　紅い染みが…濁るように散った

B
始まりの音、終焉の鐘　それぞれが鳴れば　
　君が見つけた　かすかな蜜、融けてくよ
B'
僕はシトラス。柑橘系の　香りに埋（うず）めたのは…そう
　飴色（あめいろ）、それと滲んだ秘蜜（ひみつ）

S
この蜜は苦甘（にがあま）く　青い薔薇から生まれ
　夢さえも包み込む　透けた薬のモト

C
苛（さいな）む無意識、眠れ
　永続不可（えいぞくふか）…停止。
鎮（しず）まる砂漠へ

消える

B
軽く齧(かじ)った禁断の実に　肌を刺す痛み
　君を填（は）め込む　小さな罠　狡猾（こうかつ）さ
B’
僕はタナトス。画一的（かくいつてき）に　Eve(イブ）へと授けたのは智慧（ちえ）
　楽園の果て、素足の誰か

S
このドグマ、ややカルマ　続く輪廻は泡に
　翳（かざ）すのは月光（つきひかり）　載せた手のひら　あぁ…