ちいさなおはなし
ひとつ、昔話をしましょう。
遠い、遠い、むかしのおはなしを。
あるところに かみのながい 女の子が いました。
うたをうたうことが だいすきな 女の子でした。
ある日 女の子は じぶんがいる せかいのほかに もう一つ せかいが あることを しりました。
女の子は そのせかいに いってみたい とおもいました。
なにがあるか しりたかったのです。
ついに 女の子は まじょに おねがいして そのせかいに つれていってほしいと たのみました。
まじょは 女の子のねがいを かなえました。
そして 女の子が ちがうせかいにいって 一年がすぎたとき 女の子が帰ってきました。
しかし その子は 一年まえの女の子では ありませんでした。
遠い、遠い、むかしのおはなし。
小さな女の子があちらの世界に興味をもち、
一年間という約束で、旅立ったおはなし。
女の子が変わってしまったのは、
彼女が見たかったものを見てしまったから。
見たくはなかったのに、見てしまったから。
だから
彼女の長かった髪は、真っ黒に染まり、
きれいな眼は紅く濁っていたのでした。
彼女は何を見て、何を知り、何を思ったのでしょう。
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