FC_Cicadasの投稿作品一覧
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コンビニで買ったメモ帳と
ボールペンを持って
とりあえず辺りを見渡して
目に付くものを
一つ一つ記録しようと
公園へと歩く
灯かりがない暗い夜に
車のライトが迫ってきては
次々と通り過ぎる
僕はここだよ私はここよと...ありふれた日常に生きて
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水辺に蓮を咲かせるには
眠れる森の妖精に
甘い白樺の雫を集めて
そっと口移しで与えます
やがてすまし顔した妖精の
小さな胸の谷間から
赤い鈴のような種を取り出して
月夜の水面に落とします
ああそうして儀式が終わる
冷たい霧が晴れるころ...蓮の微笑み
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降り続ける風雪の冷たさに怯え
毛布に包まって目を閉じたまま
静かに時だけが過ぎてゆく
冷え切った手を胸に強く押し当て
深呼吸して体温を感じ取ってから
ゆっくりと重い瞼を開いて
寂しい思いはこの際水に流し
できることから始めよう
星の数ほど生まれるチャンス
いつでもあなたと会えるから...いつでもあなたと
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小さな小さな瞳の奥に隠された枯葉の群れが
微か微かに震える触れる心臓から伝わり揺れる
言葉でもなく歌声でもない
僕の中で戯れる熱量
冷たい冷たい頭の中で廻っている宇宙ゴマが
今にも今にも傾いて離れ落ちて弾けて止まる
力でもなく啓示でもない
僕の周りで起こる奇跡
ああ神様いるなら教えてよ
ああこれから...宇宙ゴマ救世願望
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諸手上げて朝の光抱いて叫ぶ僕の心
今にきっと水の国に皆の力合わす明日
大地振るえ息吹誘う岸辺星の命消える
君と共に空気吸って歌い永久に生きる僕ら
霧を照らす月の明かり見てる誰も居ない森で
吐息留めて耳澄ませ石の上に降りる雫の音
時が跳ねて両手すくう夢にひとつだけの光
君と私だけの今宵契る別れ得ない日...ロイド
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ただ一枚の板チョコを
集まった数に等しく分け
おいしいねと笑い合いながら
時間いっぱいに食べてる
一人ひとりの気持ちを
繋ぎ合わせて輪になって
目をつむり呪文を唱え
思い思いの夢を描く
みんな魔法使いみたいに
願いがかなうといいね...みんな魔法使い
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虹色の架け橋を渡る風のように
足取り軽く手ぶらで出かけよう
今まで続けていた長い旅の途中で
出会った悲しい別れの瞬間も
道端に咲きほころぶタンポポと同じで
どこかで生き続けているだろうから
もう君とは合えないかもしれないけれど
まだ希望まで捨てたわけじゃないから
君が落としていったたくさんの未来の種...Light Successor (継ぐ者たち)
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どしゃ降りの中ひとりきり
落とした物が見つけられず
泣きながら駆けていった
大きな涙をこぼして
明るい空がよみがえる頃
黒い水たまりの縁に
あなたがくれた星の砂の
小瓶がまぶしく光っていた
あなた(きみ)のために声を合わせ
形のない贈り物を...星の砂の小瓶
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小麦光る雫さえ
河の音と共に揺れ
言葉与ゆ神々の
印受けて土に降り
草木生きる糧となり
永久に優し温もりを
第2楽章
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朝日を浴びるすずめのしぐさを
眺めていては遅刻ばかり
家へまっすぐ帰ってネットの
仲間と語り過ごす毎日
君に出会う前はそんな風にして
小さな殻にこもって怯えていたけれど
あの日から新しい僕がもうひとり隣に
バイトが終わって一息ついたら
アパート前の小さな公園
ブランコに腰落としてゆらゆら...Something life
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吹きすさぶ風の音高らかに響く春に
窓をたたく雀の鳴き声が耳に刺さり
二つの蒼い瞳が扉を押し開けて
今にも弾けそうなピュアな朝の光
肌と肌触れ合ってはしゃぎ会う夏の日々の
ゆっくり過ぎてゆく青空と星の流れ
立ち止まり降り返る思い出と共に生きた
目覚めのこの時を記憶に焼き付けて
はかなくも散り行く命の薄...目覚めの時
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1・
大きな夢を持とう
一人ひとりの人生を
全て残さず包むほどの大きな夢を
道を歩けば幾つもの音と光が交差して
体を透過して行く
君が空を羽ばたく時の
目に写る僕のこの笑顔は晴れ渡る空の鏡
未来の雨に打たれた翼濡れて冷たくなっても
僕が運ぶ太陽の光で乾かしてあげよう...夢のかたち
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青い空に入道雲が吹き上がる
あそこまで飛んで行きたいなあとひそかに呟いた
昨日までの僕は何にも手をつけれないまま
君のすることだけを傍らでただそっと眺めていた
一人だけじゃどんな夢だって中途半端に終わる
そんな君の失敗するところ幾つも見てきた
大きくなって変わり過ぎた僕の顔を指差し
君は叫んだ「今の...音楽の翼
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桜の花びらが降りて
あなたの頬にキッスしたら
人差し指を近づけて
「きみもしていいよ」なんて
ヒナギクの数が増えたね
夏を上手に過せたら
このままやさしく育てて
友達いっぱい作ろう...Ancient Garden (いにしえの庭)
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曙に映える白い雲が
駆け足で海へ運ばれて
青の光が広がる
ささやかなお日様の温もりに
包まれてはしゃぐ子供達の
笑顔が遠くから見える
風の悪戯だね
僕は大きく羽ばたいて
あの子が見つけて指差すまで
この辺りを飛んでいよう...街のカモメの歌
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物心ついた時にはもう歩いていたよ
どうして生まれて来たかさへも知れないけれど
目が覚めて窓を開けて外を覗いてみたら
明るい音に合わせて歌を歌っていたんだ
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・・
水筒に紅茶入れて散歩しに出かけてみようよ
木や花が暮らしている緑満ちる公園へ
そこはきっと人々が日々の疲れ癒す楽園
気の合う仲間がいれば...Space Walk(宇宙の散歩道)
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1
僕の脳と君の脳
全然違うよ何もかも
生まれや育ちが違うのと
そちらとこちらは別の世界
そもそも僕らは人ではない
脳みそあるかもわからない
それでも確かに感じるよ
砂粒ほどの幸せを
額を合わせ目を閉じて...ツムジの数は∞(無限大)
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1
アサガオのラジオ体操背筋を伸ばして
青空の向こうまで手が届くくらいに
太陽の反対側の君らの部屋へ
押し花と種添えて便りを送ろうか
2
通り雨往く先々に音が跳ね返り
寂しげな人たちの明かりを取り戻す
太陽が顔を出したら皆窓開けて
風たちを取込んでたくさん歌おうよ...Easy summer vacation (太陽の種子たち)
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北の国の森の奥
白樺の群れの真ん中に
百年前に住んでいた
三角帽子の妖精は
川辺に生える木の幹を
春になる前切り落とす
絶え間なく続く雨の音
白く冷たくがむしゃらに
跳んではじけてまた跳んで
朝日を浴びて踊りだし...北の国の風の妖精
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1
昨日観た映画のワンシーンは
君と一緒に涙していたけれど
たった今それを思い出していたら
あんまりどうってことはなかった
沸かしたお湯で一杯のコーヒーを
トロトロと入れて君の前まで
うっかり手をすべらせ台無しにしちゃう
ああ、史上最悪の一日だった
明日になればいいことあるさ...明日になれば昨日は一日
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【一、覚悟ある雷神】
刺さる朝焼けと 風を追い越し
僕らの目の前を 雷神が去って行く
君にいっぱいの 希望を預けた
夕立(ゆうだち)に打たれても 君は前だけを見る
友情の証(あかし)を 捨てたとしても
僕らは忘れない 君の勇姿を
友情の証を 捨てたとしても
僕らは忘れない 君の勇姿を
【二、明日を見...覚悟ある風神のように
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想像してみてごらん目の前に広がる無限の未来を
横たわる砂と嵐の荒野から
光る泉が湧き出でて大地が蘇る
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・・
風が呼ぶ雲を光と音楽(おと)の震えで雨を降らしたいね
森に積もる雫が小川に集められて
心ある河となって君の町へと注ぐ
幸せの種を蒔いて芽が顔を出したら
声合わせてにぎやかにお祝いしてあげよ...ピアノロール(未来への想像)
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外は危なげない足どりの人で溢れている
虚ろな目であなたを見つめて
ふらふらドアの前でモジモジしないで
入って来て歌っていってね
外で座るところなんか探したって無駄なこと
混じった雑音(おと)にモミクチャにされて
体中冷めてしまいそうな今宵こそ
ここでゆっくり休んでいってよ
この店には何も置いてないけ...With a lot of orders
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いつもだったらあの橋で鞄を二つ並べて
もう一人の友達を必ず待ってた
携帯のメールが細い字で囁きかけた
「もう少し二人で仲良くしゃべっていろよ」って
君はなんにもわかっちゃいないんだから
「はやくこいよバカ」って返したの
苺のケーキを三人で等しく分ける切り方を
先生からバッチリ教わってからいざと言う日...よっつのいちご
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目覚めの悪い朝にあの日の君を想う
つないだ手の温もりがいつでもよみがえる
上靴の砂を掃い違う下駄箱に入れ
同じ時間に帰るそんな平凡な日々
桜の木の下で二人並んだ写真
毎年撮らせては親を喜ばせていた
家は離れていても遠い親戚の仲
同い年の君はいつも輝いていた
下書きのないキャンバス君を描こうと思った
...目覚めの悪い朝に
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樹海の木の中に長く眠っていた
細い目をこすり指をなめると
仲間の高い鳴き声が聞こえた
早く雪のほうへ迎えに行かなくちゃ
ああ
走れ(雪を追いかけて行く狐を撃たないで)
狐は昔から神様とみなされ
ピョーンと跳ねては奇跡を起こしたという
僕らにそんな力はないのに
なぜ僕たちを捕まえにくるの...雪を追いかけて
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南のリュウ
暖かな火山の島から
飛んで来て彼女の病を治してくれ
その代わりに私の内(なか)にある
たったひとつしかない心臓を
リュウよ
聴こえているか
おまえに餌を渡そう
北のリュウ
凍りつく極地の山から...渡しのリュウ
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ずっと君のことを待ちわびていたよ
歌わせて僕に心の歌を
いつも君のことだけ慕っているよ
取り上げてくれた闇のころから
ずっと
明日は僕らと君がひとつになって
はるかな未来の音楽(おと)が宇宙(そら)まで響く
ああ
地球の力を借りて癒してあげる
あなたを見ている家族友達みんな...音楽の絆―ある夏の夜のエンドロール