傘村トータの投稿作品一覧
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涙で前が見えなくなるほど泣いた
心を抱えて 背中を丸めて
泣き疲れて眠れる夜は幸せだ
冷たい頭で夢は見れない
心の弱った部分を抜き取って
捨ててしまえたらな
そしたら強い心を入れて
優しい心を入れて
もっと愛される人になる
一瞬でいいから 心に触れて...抜心
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壊れていたのは世界でしょうか
間違っていたのは世界でしょうか
あなたには朝がやってこない
だから あなたの「おはよう」はもう聞けない
時が戻れば、なんて思いながら
私はあなたをこんな檻に閉じ込めている
声が枯れるまで歌い続ければ
きっと気が付いてくれるよね
またいつか 光の降る街を
手を繋いで歩きま...あなたの夜が明けるまで
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澄んだ声と長い髪の君に
私は一目惚れでした
友だちになろうと言ってくれた
よろしくね、の声が思わず震えた
仲良くなるのに時間はかからなくて
私を見つけると手を振ってくれる
心臓が跳ねる 大きく手を振り返す
幸せな日々が続きますように
長い髪が綺麗だと言った私に
「伸ばすよ」とはにかんだ...私の愛した君
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昨日の夜 電気消して 枕元にあった目覚ましをかけた
君がもう 起こしてくれないから
明日の朝 カーテン開けて 顔洗って ゴミ出しに行こう
君を思い出ごと捨てちゃおう
言ったこと全部 守れないじゃない
聞いたこと全部 忘れられないじゃない
嘘つきは嫌いだって 言った君自身が
私を嘘つきにさせたの
大嫌...バイバイLiar
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魔王の国の魔王の城に
一人の魔王がおりました
ひと月に一人 その魔王は
人間を食べておりました
336552人目の生贄は
銀色の髪に青い眼の
18才の青年でした
魔王は震える青年に
小さな砂時計を与え
いつも通りの決め事を...魔王と青年
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嫋々たる春風の日々は過ぎ
すげない雨が つ、と降りかかる
行合の空 君の横顔
黄昏にひた隠した涙の跡
片陰り咲く 一輪の白
傘に護りて 行きし地の黒
片便り すぐ君と言葉を交わせると思っていた
流風に明日の希を捧げ
戯雨の下で願い事を
照らせ 永遠に...片陰りに咲く其の花は
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雑踏の中を 逆さまに進む
足を止めたら もう動けないから
目印なんて わからないまま
うだるような八月を僕は走った
どこまで歩いたら 僕の花は咲くのか
どこまで根を伸ばせば 倒れなくなるのか
ドンと音がして 思わず顔上げた
光り 弾け 耳も目も空を追ってた
あんな大きな あんな綺麗な
あんな儚い花 ...しゃぼん玉花火