しょよーじゃないです、はつひです。 作詞と小説をメインに、ゆるりと文を書いています。 ・歌詞に曲をつけてくれる方 ・歌詞依頼してくれる方 ・お友達になってくれる方 大募集中です。 チキンハートの持ち主ですが、お気軽にどうぞ。 メッセージをいただけると飛んで喜びます(ノ´∀`*) 追記: Twitter登録したのですが、ピアプロでの飛ぶ方法がわからないのでIDだけ書いておきます。 @hatuhiyu ボケボケゆえ、リフォロはゆっくりめですあしからず。
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A1
浮世に 紅のルージュ
美しいって当たり前
私が踊り狂う世界
あなたはそこから見上げているの
B1
同じ紅を塗っているって何?
私によく映えるの
とても似合うでしょ?
S1...乱舞ライブ
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ここは正直者の町 かつては栄えた仮面の王国
石畳みの通りには ハープの音色が溢れ
あるとき その王国にお姫様が生まれました
きれいな王様と きれいなお妃様の間に 生まれたのに
お姫様はあまりにも醜かった
それを悲しんだ王様は 国一番の魔法使いに頼みました
姫を美しくしてくれ、と―――
数日後 お城に...仮面の王国
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ひどく軋む戸を慣れた手つきで開けて、私はいつものように離れに入った。
離れの中はいつも薄暗く、しかし何処かいつもより静謐な、闇ではなく灰が支配していた。
「人魚?」
私はおそるおそる声を出した。
返事はない。
いつもなら何おびえてるのという嘲笑か、ずるずると床を這う音が聞こえてくるはずなの...sirenaの海 終
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おじさんは、帰ってきた。
悠久の時を越え、僕のおぼろげな耳に戸の軋みとおじさんの声が入ってきた。声を出そうと思ったのに、渇いた喉は震えなかった。
おじさんは僕の方にゆっくりと近づいてきた。少し擦り気味な足音は変わらない。そして板間に腰を下ろすと、寝そべったままの僕の額にかかった髪を掻きあげた。...sirenaの海 幼形水没 /2-2
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おじさんは、ある日突然消えた。
からっぽになった蒲団だけを僕の横に残したまま、跡形もなくいなくなった。
呼んでも返事が返ってこない。僕はただそれだけでおじさんがいなくなったこと、帰ってこないだろうことをぼんやりと悟った。
そうなることをなんとなくわかっていた。
わかっていて、わかっていたの...sirenaの海 幼形水没 /2-1
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「何それ」
人魚の第一声は不機嫌極まりないものだった。ちらりと一瞥しただけで、開いた本の頁の端をちぎり、口に入れる。
「だからお礼だよ」
そう言って私は人魚の前に出したそれを見た。色とりどりの、やや汚れかかったチューブが長方形の箱に納まって沈黙していた。箱の端に私の名前がひらがなで書かれている。...sirenaの海 幼形水没 /1-2
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「遅い」
開口一番そう言われて、何かを投げつけられた。それが私の顔に当たって、土間にぶちまけられる。
機嫌が悪いだろうから行かなかったのに、と心中で呟き、私は人魚を見た。相変わらず人魚は床に寝転がって、顔だけでこちらを見ていた。柳眉が顰められていて、その瞳には剣呑な光が垣間見える。
悪かったよ...sirenaの海 幼形水没 /1-1
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僕らはよく似ていた。
その内に向かっていく性格と、何処までも闇を引きずって行くところ。
サディストとマゾヒストは、結局同じものなのだと思う。傷つけることによって心の痛みを求めるのと、傷つけられることで心の痛みを求めるのは極論すれば同じものなのである。
ただその相手が自分より強いか、弱いか。未...sirenaの海 愛憎情劇 /2
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「君は愛って何だと思う?」
相変わらず突如として人魚はそう切り出した。
「え」
だがいつも問いかけてくる内容とは、人魚が言いそうな内容とはあまりにもかけ離れていて、私は咄嗟に反応が返せなかった。
それを人魚は別の意味に取ったらしい。
「言い方が悪いな。そうだね―――君は愛ってどう思う?」
「ど...sirenaの海 愛憎情劇 /1
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僕は自他共に認めるように虚弱体質であった。成長期に入っていたのに、身長はあまり伸びず、手足も枝のように細く、搾り出すが如く不恰好に伸びた。
だがそれでも離れに住むときに持ってきた服は次から次へと着られなくなってしまい、結局おじさんが箪笥に仕舞い込んでいた昔のシャツとズボンを着ることになった。
...sirenaの海 衝動空腹 /2
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「名前? そんなものは当に忘れてしまったよ」
まだ人魚に出会って間もない頃、私は人魚にそう言われた。いつも通りの薄暗い離れの中、人魚は相変わらず床にうつ伏せになって、ちろちろと舌で左手を舐めていた。
警戒して、教えてくれないのだろうかとも思ったが、それにしては人魚の態度にはそういうものは全く見ら...sirenaの海 衝動空腹 /1
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十代になったかならないかぐらいのときに、目がおかしくなった。
始めは日の光のあるところに出ると目の奥がずきり、と痛むぐらいだったがそのうち全てがかすんで見えるようになった。そのことをぼんやりと家族に云ったら、予想外に大騒ぎになった。いろんな病院に連れまわされ、これがいいあれがいいなどといろんな薬...sirenaの海 白夜困睡 /2
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「何呆けてるの」
高いようで低いような、涼やかでいて纏わりついてくる声が耳元で囁かれた。
その声に思わずびくっと肩を震わしてしまう。
なんというか、私はこの声に本当に弱い。
す、と目だけで声のした方を見ると、濡れた目と合った。
深くて暗い海の底のような双眸が並ぶ、端整な顔。あまりにも白いそ...sirenaの海 白夜困睡 /1
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その手は鮮烈だった。
人気のない竹林の、その中に佇む離れに設けられた、名ばかりの窓。ちょうど目という字を横にしたような小さな窓から、伸び出た手。
生気のない、何処までも透き通って血管でも見えそうな青白い手。指先は骨に皮しかついてないような細さで、しかし長く、すらりと伸びて、空を切っている。
...sirenaの海 序
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春に桜が咲くと、ふと思い出すことがある。今は遠く離れたところに行った人の話だ。
彼はよく『桜は花ではなく、葉が一番美しいと思う』と言っていた。
彼はひどく嘘つきだった。
「君はどうしてそんなに嘘をつくの」
私は何度も彼にそれを聞いたけれど、彼はその答えを持ち合わせていなかったのか、ただ苦笑い...Leaf story ~人魚と燕~ another ver.
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吐息が泡に変わる 想いが空に溶ける
私は呼ばれるように 加速し宙に跳ねた
広がる青い世界 大きく息を吸って
トキメキの泡弾けて 今君に飛び込んでいく
blue love 彼方 君が好き
いつも君を見上げていた
でも私は鳥になって 君と同じセカイへいく
冷たい海の底で 泣いてたってわかりはしない
「涙...blue love