kamometobuの投稿作品一覧
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小さな星
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誰を責めればいいの
缶ジュースを残した時は
誰に話せばいいの
好きな人が泣いている時は
教えてよ
海から聞こえる
怒号のような低くて声に似た
消えそうなエコーが
顔を伏せ笑うママ
支えられず振り上げた右手...小さな星
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悪役
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雨上がりの道を心から
楽しみたいから歩くんだ
いつも悪人は
演技をしているだけ
そうと分かれば気は楽さ
雨上がりの道はぬかるむから
何も考えないでいられるんだ
「どこまでも続く
この道の果ては」なんて
そうボヤく君は霧の中...悪役
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悪役
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死んだおばあちゃんが
頭を撫でてくれた
思い出す線路が軋む時
いい子だねって
仕草がかわいいなんて
細めた目の奥で湿る光
それは時々渦巻いて
いい子だねって
錨を下ろせば魚が泣くから
船に乗るのはやめた方がいいと...いい子
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いい子
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乾いた冬空の下を
ハンドル揺らしながら走る
蜂の住処が枝で揺れてる
すれ違った赤い車の
フロントガラスに映る
銀色の首輪を巻いた子猫
助手席から手が伸びて
姿が見えなくなった
サイドミラーから送ろう花束
僕を責めるようにひずむサスペンション...冬
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冬
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cult
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鳥居に幟が立つ
揺らすよ笛の音と足踏みが
秋が来た
鳥居に登った雀の子供達
横顔で眺める僕らの営み
人じゃ届かないかもしれないから
捧げる祈り
いつも偽物を探してる
本物に出会いたいから
嘘の海にダイブして...Cult
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Cult
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ベッドで毛布にくるまって君が震えてる
「夢に絡まったままだ」って
外では傲慢な例え話が
君を慰めようと躍起になってる
けどさ怖い夢の中のあいつは
どんな薬でも消えない
「優しく撫でて」
泣かないで
「優しく撫でて」
子犬のように...折り紙
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折り紙
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博物館
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恐竜の博物館照明が落ちて
空のお腹
あー眠い(1、2、3、4)
怒られて唸ってる
構わないでよお願い
館内放送は寂しい
いつもしわがれた声で
告げる迷子のお知らせ
博士も熱いコーヒーを置いて
慌ててそれにかかりきりさ...博物館
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博物館
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赤いランドセル
狐のチョーカー揺れる
クレーンのアームは鉄骨を揺らす
そんな朝だ
ワクワクするよね
何かの死体を蟻が
無心で突いてる
レモンの石鹸
まだ見つめる若葉の春
帽子をかぶったこども...Bye bye school
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Bye bye school
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Bye bye school
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生憎の雨
カラフルな屋根が光っては鳴る
虫たちは息を潜め
銀色の靄が広がってく
その向こうの笑い声
やがて
覗く真っ赤な太陽が
堪らずに吹き出す汗
今はぴちゃぴちゃ楽しいな
全ての音が...とんぼのうそ
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とんぼのうそ
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昨日までどうにかあった声で
海を見てた
愛は歌でも語れない
そう気付いた
言葉は土に捧げる花
昨日までどうにかあった声で
ずっと見てた
いつもならとっくに笑って
星を見てた
どんどん重なるサンゴ...枯れても咲く
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枯れても咲く
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届ける
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ロボットは負けない(ゲームサイズ)
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どこの誰がわかるというのWHY
もうこれ以上乾いてられないPSY
魍魎跋扈に罹った大人はLIE
耐えられずに朽ちて消えた冥界
大した理由がなくても猫は怒る
積もった塵は風に流され
いっそ機械になれば
ロボットなら
憎んだって分からない
錆びたりしない、絶対...ロボットは負けない
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ロボットは負けない
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アフリカのサイ
ツノが綺麗
住み慣れた街を想う
サバンナで一人
空は青く僕を見つけ
「隠れてないで一緒に歌おう」
ここには何でもあるけど
音楽だけないんだよ
「大丈夫、
風で奏でよう...AFURERU
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AFURERU
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ミント
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ミントを噛む
力場も去ったみたい
讃える土は虫の住処
そんなことより無事に行こう
伝えたいんだ無かった言葉
噛んだら駆け抜ける
どこかに置いてきた何か
全然思い出せなくて
電車が来た!
サンドイッチって食べにくいんだ...ミント
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ミント
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君は走る
風を受けて
網が空を切って
川は笑う
あーどうして過ぎるのだろう
いないとばかりに
最初から
君は走る
草を分け
行ってしまおう...つめたい火
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雪職人