タグ「LEON」のついた投稿作品一覧(31)
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学校の先生などは、よく考えることはいいことだ、などと言うが、よく考えすぎるのも問題と言うものである。
「この問題の答えを、鏡音君、答えて」
黒板にチョークをつきたてながら、先生がレンのほうに声をかける。
しかし、答えが聞こえないので、先生は振り向き、レンにもう一度声をかけた。
「鏡音君。答えて...鏡の悪魔Ⅴ 16
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次の日、二人が学校へやってきて教室に入ると、ミクがすばやくリンの席に近寄ってきた。
「あ、おはよ、ミクちゃん」
「うん、おはよう。ね、リンちゃん、手、出して」
「え? えっと、こう?」
いわれたとおりにリンが手を出してやると、ミクが制服のポケットから紐のようなものを取り出した。
「何、それ?」
「...鏡の悪魔Ⅴ 6
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-悪魔-
退屈な授業が終わると、多くの生徒が大きなあくびをしたり、伸びをしたりして、つかの間のリラックスタイムを取る。勿論、リンやレンも例外ではなかった。
「んーっ! 今日もおわったぁ!」
うれしそうに声を上げながら伸びをして、リンは教科書やノートをスクールバッグにつめ始めた...鏡の悪魔Ⅴ 3
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-雰囲気-
「えー…。今日から新しい先生が来る…はずなんですが」
戸惑いながら、担任は言った。
「遅れているよう…ですね」
数学の時間だった。
うわさの臨時教師とやらは赴任初日に、思い切り遅刻をしているらしい。まあ、生徒たちからしてみれば、自習にでもしてもらってバカ騒ぎして...鏡の悪魔Ⅴ 2
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-日常-
ふわり、暖かな木漏れ日の中、青年は目を覚ました。
上半身を起こしてカーテンを息よいよく開け、窓を開くと、庭の大きな月桂樹の木が風に揺れていた。
どうしてこんな部屋にいるんだっけ…? 首をかしげる。…そうだ、今日から引っ越してきたんだった。
彼は教員免許を取ったばかりの新...鏡の悪魔Ⅴ 1
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-おまけ-
『鏡の悪魔』を見ていない方、またその世界観を壊したくない方や、腐向け表現に不快感を感じる方は、Uターンを推奨します。
まあ、腐向けっつったって、たいしたことないんですけどね!!(←ここ大事)
さて、それでは始めましょう。残った方々にのみ、知ることのできる、
『裏鏡の悪魔』です。
『-密...鏡の悪魔Ⅳ 9.5
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-出発準備-
しばらくすると、教室は静まり返った。
それから、どっと笑いが起こる。何故笑われているのか分かっていないのは、メイトただ一人だった。きょとんとしているメイトを見て、皆が笑っていることは明白だった。
「…メイトさん、それ、棒タイです。ネクタイじゃありません...鏡の悪魔Ⅳ 3
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-おまけ-
『鏡の悪魔』を見ていない方、またはその世界観を壊したくない方や、腐向け表現に不快感を感じる方は、Uターン推奨します。
まあ、腐向けっつったって、たいしたことないんですけどね!!(←ここ大事)
さて。それでははじめましょう。残った方々にのみ、知ることのできる、
『裏鏡の悪魔』です。
『...鏡の悪魔Ⅲ 26.5
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-制御-
鼻に悪そうな薬の臭いで、レンは目を覚ました。
気分は最悪といっていいだろう。真っ白な天井と真っ白な壁に包まれた、白い部屋の中の、白いベッドの上でレンは目を覚ましたのだ。
狭苦しい場所は嫌いだ。一刻も早くここを出て、思い切り走ってみたい。―――けれど、それはい...鏡の悪魔Ⅲ 25
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-行動-
いきなり、ズボンのポケットの中にはいったままの携帯電話から甲高い着信音と、バイブレーションをはじめ、レオンはポケットに手を押し込んだ。
白い壁にもたれたまま、携帯電話を片手で開いて通話ボタンを押して、携帯電話を耳元へと持っていった。青い携帯電話はに付けら...鏡の悪魔Ⅲ 24
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-微笑-
少しの間があった。
誰も声を発しない。いや、場の威圧感や空気感に声を発するほどの余裕を持ちきれていないのだ。重苦しい雰囲気がそこ煙のように立ち込め、全員の周りをこれでもか、というほど包み込んでいた。
「リン(ランのこと)やリンちゃん(主のほう)なら、身長差...鏡の悪魔Ⅲ 22
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-謎-
「嘘…だよな…?」
もう一度、そう繰り返した。けれど、カイトは頷かなかった。
その場にいた全員の視線を浴び、どうしたらいいのかわからず呆然とするレンから、カイトはそっと目をそらした。その行動は、嘘ではないことを表していた。
その空気に耐えかねたようにルカ...鏡の悪魔Ⅲ 21
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-炎上-
リングノートを閉じた。
日は既に暮れかけ、電気をつけていない部屋の中はキレイな茜色の太陽と同じ色に染まっていた。
気分もだいぶよくなってきて、部屋の中を動き回るくらいなら造作も無いことになり、その辺をとことこ歩き回っては何か無いかと探しているのだが、何...鏡の悪魔Ⅲ 20
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-光臨-
時は少し前にさかのぼる。
あの後――カイトがランをとめたすぐ後までさかのぼることになるのだが、すぐにランは眠ってしまって、カイトとレンは落胆していた。
「…カイト兄、レオンが居た部屋に連れて行ってくれないか?腰が抜けちゃって、一人じゃ行けそうに無いから」
...鏡の悪魔Ⅲ 18
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-終戦-
手が、震えてしまってどうすることもできない。
自分がしたことを理解するのに、しばらく時間を要した。
嫌な汗が背中を伝い、落ちていく感覚があった。それから何があったのかを考えていたが、自分の立っている場所から下をのぞき見て、やっと何があったのかを理解した。...鏡の悪魔Ⅲ 17
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-悪魔-
ずるずると遅いながらもゆっくりでも、少しずつその場から離れようと、ランはレンを引きずりながら移動していた。ある程度離れた場所に用具箱を見つけると、その陰に隠れて少しだけ魔法を使ってみた。と、いっても、眠っている相手を起こす魔法など無いから、そこは、対象物の重...鏡の悪魔Ⅲ 16
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-戦-
声が――
声が、呼びかけてくる。お前の弟は人殺しだと、狂ったように。
頭が痛い、割れてしまいそう、苦しい――。
「――大丈夫かい?」
「あ、カイト兄。大丈夫…」
「顔色がよくないね。取り合えず、出口へ出ようか。外の空気をすったほうが良いかもしれない」
...鏡の悪魔Ⅲ 15
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-闇と光-
緑のショートへアーと黄色い服装から想像されるものは唯一つ。
「…パイン?」
「初対面でそれ、よく言えるね」
「いや、ごめんなさい。ただもう…そうとしか見えなくなってしまって…」
「ちょっとそこに目ぇ瞑って立っていてください。首をスパッとやっちゃいますから...鏡の悪魔Ⅲ 14
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-狂気-
手にかけられていく強い力と、自分の手で愛した人を殺そうとしている恐怖、ただその二つが、レンの理性を奪っていく。この間のようにリンが声を出しているなら、まだ安心感を持てるかもしれないが、リンは苦しそうに顔をゆがめるだけで声を上げることすらできないらしい。
...鏡の悪魔Ⅲ 13
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-傀儡-
部屋の片隅でレンを包み込んだ光は次第に緩やかになってきて、その光もふっと消えてしまった。ふわりと柔らかい光に包まれていたレンは、無意識に目を瞑っていたらしく、そっと目を開いた。何が起こったのかわからず、恐る恐る目を開いたのだ。
(…?)
「…あれっ…あは、失敗...鏡の悪魔Ⅲ 12
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-進入と脱出-
メイコ邸では、やっとヒントが見え始め、大騒ぎが落ち着き始めていた。
「ルカ、連絡網のプリントを出してきてくれない?ほら、固定電話の下…。それをみれば、住所もわかるでしょう」
「母さん、それなら、大丈夫!私、レオン君の家、知ってる!行こう、早く!」
ど...鏡の悪魔Ⅲ 11
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-監禁-
考えてみれば。
ふと、レンは思う。
毎回毎回、こんなクダリでのこのこと敵前に進み出ては、毎回毎回こんな風に捕らえられて、毎回毎回酷い目に合っている気がする。それでもって、多分この後レオンとかその辺りと面会ターイムに入って、何か危なくなって、リンとかが入って...鏡の悪魔Ⅲ 10
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-混血児-
体に力が入らない。
手も足も、頬も額も全てが熱を持って、まるでそこに心臓があるかのようにドクドクと血が強く流れていた。息も苦しいし、のども渇いてしまってカラカラだ。
「…。…?」
ふと目を覚ました場所はまるで見覚えのない、豪華な天蓋月のベッドの中で、周り...鏡の悪魔Ⅲ 9
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-声-
声が――。
何故、誰かがこうなるように仕向けたのか、ショックによる一時的なものなのか、一生戻らないものなのかもわからない。ただ、レンはその闇の中で目を覚ますことはできなかった。いや、目を覚ましたくなかった。目を開いた瞬間にこの生活が音を立てて壊れてしまいそう...鏡の悪魔Ⅲ 8
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-不満-
――何も。
可笑しい、何もおきない。
ただレオンの住んでいるという館に入って、客間に通されるとすぐにリンやレンと同じくらいの年齢であろう、長いストレートの髪の少女が紅茶を入れたポットと四つのティーカップを持ってきた。
怪しいくらいに何も起こらず、初...鏡の悪魔Ⅲ 7
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-招待-
全速力で、全神経を集中させて逃げても、逃げても追ってくる悪夢は獲物を追う狐のように素早く、狙われた黒兎はそれから逃れるすべを持たない。怯えた黒兎は追ってくる狐を避けるために別の狐に付け入って、狐同士が戦っている間にその場から逃げ去ってしまう。そうして黒兎は囚わ...鏡の悪魔Ⅲ 6
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-記憶-
まただ。
また、真夜中に目を覚ましてしまう。
昨日もそうだった。けれど、ベッドから動こうという気持ちになるほどではなかったし、疲れていたからそのまま眠れるだろうと思って、ずっとベッドの中にいたからあんなふうになったのだろうが、まあそれとこれとは別の話だ。起き...鏡の悪魔Ⅲ 5
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-接触-
少なくとも、レオンはアンについて何か知っているらしい。あえて追求はしない。レオンは何かを隠し、レンに、そしてランに接触してきているのだ
「嫌な感じがするな」
夕方の六時、鈴は仕方なくアンを探すのをあきらめ、帰路につこうとしていた。隣には今、用を済ませて...鏡の悪魔Ⅲ 4
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-失踪-
結局、殆ど眠れないまま、レンは登校しなければならなくなった。
朝見た限りではランも特に可笑しな様子もなし、レンを意識しているようにも見えず、いたって普通だ。少しばかりの不安を感じながらも、レンはリンに連れられて学校へと向かっていた。
途中、見覚えのある...鏡の悪魔Ⅲ 3
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-進入-
館へと戻り、レンはリンとランの飛びつき攻撃によって出迎えられることとなった。
「お帰り!遅かったね、レン!」
「もう、リンさんとずっと待ってたんだよ?お姉ちゃんを困らせないで」
楽しそうに言うリンとランを適当に振り払うと、レンは思い切り悪態をついて見せ...鏡の悪魔Ⅲ 2
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-転校生-
今日も退屈な毎日が始まる。
今日からまた五日間、金曜の夕方ほどまで毎日毎日、学校での退屈で面倒な授業を繰り返さなければならないのかと思うと、“反吐”が出そうだ。
「――リン?どうした、学校行かないのか?」
そんなことを考えていたリンの妄想を断ち切...鏡の悪魔Ⅲ 1