「愛を込めて」とあなたがいうと
いつもあたしは笑っていった
「込めたならぶつけろよ」

貫くぐらいの勢いで
あたしに真っ直ぐ届かせて

あなたの愛はいつもフォークボール
あたしの目の前でストンと落ちる

それを見て涙目になるあなたに
あたしは呆れてつぶやいた

「三食ちゃんと食べなさい」
「歯を磨いてお風呂に入りなさい」
「寝る前に私におやすみと言いなさい」
そうすれば私も好きを返してあげるから

「愛を込めて」とあなたがいうと
いつも私は笑っていった
「最近全然こもってねーよ」

そんな軽い風船じゃ
風に吹かれてとんでくわ

あなたの夢は変化球
あたしにまっすぐ届かない

それを見て必死なあなたに
あたしは呆れてつぶやいた

「注文は大きな声で言いなさい」
「行く場所きちんと決めておきなさい」
「あたしの手をちゃんと掴みなさい」
あなたがすることに嫌なことなんてないんだから

結局何も言わないあなたに
あたしは呆れてつぶやいた

「なんでも高級を気にするのはやめなさい」
「すれ違う度男性を見るのはやめなさい」
「もっと自信を持ちなさい」
なんであたしが好きって言わなきゃならないの

「いい加減あなたから言いなさい」