「異世界観光はいかがですか」  作:かじき色

00β.異世界観光の体験モニター準備編

 気が付いた時、僕は森の中に立っていた。
 先程の現象を思い返すと、ここは多分異世界なんだろうなと思う
けれど実感はあまり無い。草や木の種類は詳しくないので断定出来
ないけれど、日本の山奥に生えている物と似た感じがする。

 周りを見渡していると、目の端にメニュー画面が表示されている
のが見えた、


   名前を登録して下さい【 】
   省略時は【センリ=ヒロミチ】です


 僕は普段ゲームをする際に使い慣れた【ルート】を入力した。


名前:ルート
年齢:25歳
レベル:1
スキル:身体保護(強)、異世界言語、異次元ボックス
所持品:短剣

【 通常転移:1時間後 】【 強制帰還:HP半減 】


 そして、時間が動き出した。風が吹き、音が聞こえた時、先程迄
は静寂の中に居た事を理解した。
 暫く歩いてみる事にした。三匹のゴブリンと遭遇した。逃げた。
 追いつかれた。逃げた。追い越された、衝突して足が止まった。
 完全に追いつかれた。僕はギュッと目を瞑った。何も起こらない。


「・・・・・・」


 そっと目を開けると、僕は三匹のゴブリンに棍棒で殴られていた。

「うおぉー」

 と叫んだら、ゴブリンの動きが一瞬止まった。正面にいたゴブリ
ンと目が合うとゴブリンは後ずさった、振り返ると後ろにいた二匹
のゴブリンも後ずさった。様子をうかがっている。突然ゴブリンが
逃げ出した、後ろにいたゴブリンも後を追う様に逃げ出した。

 何だったんだろう、そう言えば殴られていた筈なのに痛みが全く
無い、確か僕の防御力は高く設定されていたな。あれこれ考えなが
ら振り向くと、視界が真っ暗になった。

 真っ暗な場所でじっとしていると、景色が薄れて行って、見慣れ
た景色が現れた。どうやら元の世界に戻って来た様だ。

 暫くボーっとして、メニューが表示されているのに気付いた時、
スマホの着メロが鳴り始めた。僕はメールを読んでから銀行へ向か
う事にした。大丈夫これは振り込め詐欺じゃない。

 そう思いながら僕はメールの指示に従って現金を引き出した。

 その後は、近くのスーパーマーケットやファストフード店で何時
もより多めに食料を買い込んで自宅へと急いだ。

この作品にはライセンスが付与されていません。この作品を複製・頒布したいときは、作者に連絡して許諾を得て下さい。

【小説】00β.異世界観光の体験モニター準備編

 小説を書いてみました。
 最近になって「小説化になろう」のサイトを知ってネット小説を読んでいたら
自分でも異世界ファンタジー小説を書きたくなりました。
 初めて小説を書いたので、途中で気が変わったり訳が分からない表現になったりと色々ですが、興味があれば読んで下さい。(連載形式です)

http://ncode.syosetu.com/n8336de/

閲覧数:410

投稿日:2016/03/22 21:34:35

文字数:980文字

カテゴリ:小説

  • コメント1

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  • kazm

    kazm

    ご意見・ご感想

    最後、異世界から日常の世界に急速に収束していくところが
    楽しいと思いました)^o^(

    2016/04/18 07:26:08

    • かじき色

      かじき色

      kazmさん、感想ありがとうございます
      異世界を観光するのなら、ちゃんと戻って来れないとね。
      ルートは何故真っ暗になったのか気付いていません。

      2016/04/18 22:21:19

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