ジャケット

 20XX年、日本。

 世界各国の宇宙進出も始まり、
 日本も例外ではなくなった。
 より遠くまで飛べるような、そういったものが世界では望まれていた。
 しかし、国内の宇宙飛行士は狭き門であった。
 予算の少なさからも、よりよくより多才なものでなければ
 宇宙飛行士などなれなかった。
 ロケット開発まで携われる人材、
 それがこの時代でのアストロノーツだった。

 飛行士候補の中でも一際に異才を放つ者、めぐみ。
 彼女と真っ向から立ち合えるのは一人の青年くらいだった。
 自然と、開発においても飛行計画においても
 この2人が常に議論の中心にいた。
 フライトプランでもロケットエンジンでも優秀な人間。
 自説を押しながらも、それぞれ互いを認めていた2人。
 そうして、めぐみはいつしか彼に惹かれていった。


 付き合う様になっても、恋と情熱は別。
 それからも意見を戦わせる2人だったが、
 打上計画はうまくいっていなかった。
 別にシャトルが悪いわけではない。
 今日も白熱した議論は続けられていたが、
 問題は違うところにあった。

  ブースター。
 シャトルをある程度まで打ち上げる、補助的な打上装置。
 これは、別部門で開発が進められていたが
 望まれる能力に達していなかった。
 既定の重量内では適わず、実験も限られていた。
 シャトル側でもこの距離の不足を補うように改良策が
 練られてはいたが補いきれるものではなかった。
 ブースター部門のメンツもある。

 そんな中、めぐみの耳にある話が舞い込んできた。
 更なる予算縮小の可能性。
 そうなれば、今回の打ち上げを逃せば来期は絶望的だ。
 彼のことを思った。
 彼も若いほうではあるが、宇宙飛行士に従事できる年齢は
 限られている。
 再来期になれば、候補から外れることも。。。

 周囲には何も知らせず、彼女はその日から消えた。
 ただ、愛しい彼の机にたった一言の手紙を残して。


      「頑張って」





 数ヶ月の時が過ぎ、
 懸念となっていたブースターも目ざましいデータを出していた。
 シャトルも彼の設計をベースとし、期待以上の能力となっている。
 綿密に練られた計画のもと、打ち上げの日がやってきた。

 操縦桿を握るのは彼。
 めぐみ失踪後、一悶着はあったが彼を中心とし
 プロジェクトは進んだ。
 ブースター部門においても、それまでとは格段に違ったデータが出始め
 性能は飛躍的にアップしていた。

 シャトル計画はついに日の目を見る時が来た。

 操縦席で彼がつぶやく。
 「ちゃんと・・・みててくれよ・・・」




 シャトルより管制塔より離れた場所
 多くの制御端末に囲まれた中にめぐみはいた。
 ブースターの細やかな制御を行う現場。
 密かに異動願いを出し、彼女は持ち前の才覚で
 ブースター性能を押し上げた。
 以前の居場所には全て内緒のままに。


  ロケットに火が入る。

 10,9,8・・・・・・3,2,1・・・・・・


http://www.nicovideo.jp/watch/sm9164292




 十数に亘るパネルに囲まれ、シャトルを見送るめぐみ。

 

        そう・・・もっと、もっと高く・・・・・。



 シャトルが大きな空へと吸い込まれてゆく。

00:00 / 04:55

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • 作者の氏名を表示して下さい

R・ブースター【R・ブースター♪ プロジェクト】

R・ブースターのカラオケ版です!

作曲:すっしーさん
作詞:クマー@Takenさん
編曲:NECO

企画・制作 R・ブースター♪プロジェクト


歌詞→http://piapro.jp/content/i4xx70kkfxoj0rd8
ニコニコ動画→http://www.nicovideo.jp/watch/sm9164292



ライセンス条件に関して:
曲自体の著作権はすっしーさんにあります。転載などの際にはすっしーさんに必ず確認してください。

閲覧数:202

投稿日:2009/12/24 17:41:23

長さ:04:55

ファイルサイズ:11.2MB

カテゴリ:音楽

クリップボードにコピーしました