ENDER

025
ここで行き止まりと阻む鉄の格子
腕を絡めて　指を伸ばした
emergenc
悲鳴あげ
翅は煤け砕ける

044
甘い蜜を塗りたくって　虚像だけ飾り立て
身体這う蟻共が舐め啜るの　琥珀の翅を

104
弧を描いて歪む虚空　何処まで翔ぶ
足を捉えて粘る視線に
emergency
墜落される
疎ましい蜘蛛の糸

122
背中で齧る音がする　カリカリと寸刻み
自由を奪う音がする　コリコリと噛み砕いて
揺らされてる四肢　ユラユラ頼りなく泳ぐ宙
乾いた心はカラカラ　貪り喰われちゃうのね

206
終のおわり
跡形さえ
舌で舐めて　消し去るの
笑みを浮かべ
次の獲物
待ち構えて　signal green

219
金糸銀糸纏わらせて蝶々は翅ばたくの
穴の開いたドレスの背を噛み跡で飾り立て
青いペンキ塗り重ねた真四角の空にクモ
たぶん細いこの糸に救われたりしないでしょう
そこで見てるだけなの？と神様に collect call
場所を空けて待っててよねと嘯いた　最後の言葉

　　　　* * *

025
ここでゆきどまりと　はばむてつのこうし
うでをからめて　ゆびをのばした
エマージェンス
ひめいあげ
はねはすすけくだける

044
あまいみつをぬりたくって
きょぞうだけかざりたて
からだはうありどもが
なめすするの　こはくのはねを

104
こをえがいてゆがむそら　どこまでとぶ
あしをとらえて　ねばるしせんに
エマージェンシィ
おとされる
うとましいくものいと

122
せなかでかじるおとがする　カリカリとすんきざみ
じゆうをうばうおとがする　コリコリとかみくだいて
ゆらされてるししユラユラ　たよりなくおよぐそら
かわいたこころはカラカラ　むさぼりくわれちゃうのね

206
ついのおわり
あとかたさえ
したでなめて　けしさるの
えみをうかべ
つぎのえもの
まちかまえて　signal green

219
きんしぎんしまとわらせて　ちょうちょうははばたくの
あなのあいたドレスのせを　かみあとでかざりたて
あおいペンキぬりかさねた　ましかくのそらにクモ
たぶんほそいこのいとに　すくわれたりしないでしょう
そこでみてるだけなの？と　かみさまにコレクトコール
ばしょをあけてまっててよねと　うそぶいた　さいごのことば