†引き裂かれる未来†

お母様が亡くなってから数日が経った頃、僕とリンは大臣たちに呼び出された。

いったい何なんだろう…

僕らは大臣たちに呼ばれた部屋に入った。
そこには2人の大臣、ルカ、がくぽが立っていた。
2人共、険しい目で僕らを見ている。

リンが僕の服の裾を掴んでる。
その手は小刻みに震えていた。
リンが怖がるのも無理はない。
こんな息が詰まる感じ…

大丈夫だよ、とリンの手を握ったとき、ルカ大臣が口を開いた。

「リン様!
あなたはこの国の王女となる。
そのために、これから王女になるために勉学に励んでもらいます。」

「そしてレン様!あなたはリンの召使とする。これから王宮から離れた場所で、召使の修行をしてもらう。」

えっ…?
リンとは…

「待ってよ!王宮から離れた場所って…レンと離ればなれになるの!?」

「そういうことです。」

泣きながら尋ねるリンに、がくぽ大臣は冷たく答える。

そんな…
リンと離ればなれになるなんて…
でも、この月日を耐えればずっとリンと一緒にいれる!

「リン…」
僕はリンの手を取って言った。

「何…?レン…?」
涙を浮かべ、不安そうな目で僕を見るリンに僕は優しく語りかける

「リン。
僕は君を必ず守るよ。
だから…少しの間だけのお別れだよ。
リンは王女の勉強を頑張って。
僕はリンをきちんと守るために鍛えてくるから!ねっ!約束!」

ニッコリ笑い、リンに小指を立てた手をだした。
8歳の僕にとって、リンと離ればなれになることを決心するのは大きな決断だった。

「……分かった…。
その代わり、帰ってきたらちゃんとリンのこと守ってよね!」

「うん!」

こうして僕達の未来は大きく二つに裂けた…。
王女と召使という未来…

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
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悪ノ召使6

閲覧数:323

投稿日:2010/08/07 23:12:31

文字数:742文字

カテゴリ:小説

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