「なな!おはよ!」
「あ!あずー!おはよー」
青空菜奈、中学1年生。
まだ慣れない制服にドキドキする毎日。
朝一で声をかけてくれたのは、
柳瀬 梓。
同じクラスの女の子。
「今日マラソンだってね」
「え!やったぁ!」
「ななってほんとスポーツ好きね....笑」
「特に走るのはね!笑」
「あんまり無理しちゃだめだよ?」
「心配は嬉しいけど、あずは少しくらい無理しようよ!笑」
「えー(笑)」
********************
「位置について、用意、ピー!」
いやほんと、負けられない!
1位取りに行かなきゃ!
「はぁ、はぁ、....なな!先に行って!」
「えぇ!?もうつかれたの!?」
「むりぃぃい!」
「わかった!ごめんね!」
小学生のとき、
スポーツに関して負け無しだった私は、
正直に焦っていた。
この中学校は、ある地域の3つの小学校が
1つになってできている。
南地区代表と言っても過言ではない
あたしにとっては
残り2つの北地区、中央地区には
絶対負けられないのだ。
とは言っても、やっぱり速い。
北と中央の男子は南とは明らかに違った。
こんなとこで男女の差なんて
感じてたまるか!
なんとしてでも!!
もう少しで折り返し地点というところで
先頭が返ってくるのが見えた。
「ええ!?」
なんと凄まじい顔。笑
命懸けかのような勢いで2人が並んで
競っていた。
さすがに....無理かも。笑
心の中で笑うしかなかった....。
「2分、....45、46、47!」
「はぁ....はぁ....はぁ........」
いや、さすがにきつかったな....。
まぁ、女子では1番
全体では....1、2....5番ってとこだな....。
思ったより前にいたな。
それにしても前は北と中央ばっ....かり........?
誰かが驚いたような目でこっちを見ていた。
....え?誰....?
こっち、みてるよね....?
【 これがあなたと私の
最初の出会いだったね。
あの目が合った瞬間が
今でも忘れられない。 】
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