「…あら、ミク、どうしたの?」
 雅彦の部屋から出てきたワンオフのミクに声をかけるワンオフのルカ。
 「…雅彦さんがこの前のオフ会で会ったPさんと話をするって言う話を聞いて…」
 「…雅彦君がPと会うのは珍しいね」
 「…そうね、研究室を含めたお仕事や、オフ会以外でPと会うのは珍しいかもしれないわね」
 ワンオフのKAITOとMEIKOが話をつぐ。雅彦がPとプライベートで話す機会はそれほど多くはない。仕事であれば、ボーカロイドに関するテストなどで試用してもらって問題点を洗い出したり、普段使っていてのフィードバックなどでPの意見を参考にすることはあるが、それ以外で会うことは少ない。
 「何か理由があるの?」
 「うん、そのPさんに今回のオフ会の裏話とか、そういったことを話して、それで悩んでいるって…。雅彦さんは高野さんから頼まれたっていってたけど、それ以外にも自分なりの落とし前はつけたいって…」
 「…マサ兄らしいな」
 「そのPさんの悩みの原因は雅彦君だけじゃないと思うけど、雅彦君がその手の話を何でも抱えたがるのは昔からね」
 「そうなのよね…」
 ため息をつくワンオフのMEIKO。
 「もうちょっと俺たちに相談してくれても良いんだけどな」
 「ねー」
 「…その辺りは雅彦君なりに判断したんだと思うけど」
 「…だけど、雅彦君ならその辺りのアドバイスはちゃんとできると思うけどね」
 「そうだね」
 「…ミク、そういえば児童養護施設のライブの初回の練習はあさってよね?」
 「うん、ルカ姉。施設のみんなに楽しんでもらうため、そしてみんなから笑顔をもらうために、しっかり練習しなくちゃ」
 「…そうね。だけど…」
 「MEIKO姉さん。無理はしないから」
 先回りしてワンオフのMEIKOが言おうとした懸念を払拭する言葉をいうワンオフのミクだった。

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

初音ミクとリンクする世界 初音ミク編 2章23節

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投稿日:2017/08/15 22:48:28

文字数:783文字

カテゴリ:小説

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