A1
綻んだつぼみを
揺り起こしてく眩しさに
思わず
瞳細めた

歌声は響いて
花開くけど
回せないでいるの
季節変える鍵(キー)

B1
白と黒を織り合わせた
譜面みたいに
心はうまく
奏でられずに
ふわりと彼方へ霞む
その背中見ていた

S1
氷づけにした文字
今も行き場のないまま
この胸の中で
届かない光を散らす
氷の中の手紙
弱く繰り返す言葉

「好き」
風の中に舞い上がって
なくなればいいのに


A2
記憶の冷たさに触れて
泣いた夜も朝に
つぼみは身を散らして
過ぎる時を告げる
早まる鼓動の鍵盤(キー)

B2
先の見えない
即興で綴られる日々に
揺さぶられたくなくて逃げた
心に生まれた日陰
積もる雪
そのまま

S2
氷づけた気持ちは
いつも美しいままに
あの笑顔ばかり
映しては
光を散らす

どんな思いも声も
咲かせられないのならば
なぜ種は
期待して
膨らんでしまうの


B3
指が触れる近さ
キミの後ろ姿
ここでまた枯れたら
きっと終わりになる

「消えたくない」
溶け残り続けてた声に
突き動かされて君に
触れた

背中の後ろ隠した
言葉たち
目覚めて


S3
氷づけにしたはずだった
ラブレター
砕かれて
世界が弾けた

あの太陽より
輝いて
放たれていく

キミに降る
白い結晶たち
色づき　花びらへと
恋を奏でながら
鍵(キー)を開けて
鍵盤(キー)を奏でて
私の抱いた気持ち
いつでも
「好き」
キミの中にすべりこむ
春の日差しそそぎこむ

寄り添い咲く花ふたつ
同じ空目指して



【譜割り・()は一文字分】

A1
ほころんだ
つぼみを
ゆりおこしてく

まぶしさに
おもわず
ひとみほそめた

うたごえは
ひびいて
はなひらくけど

まわせ
ないで
いるの
きせつかえるキー

B1
しろとくろを
おりあわせたふめんみ
たいに

こころはうまくかなでら
れずに

ふわりとかなたへかすむ
そのせなか
みていた

S1
こおり
づけにしたもじ
いまも
いきばのないまま

この
むねのなかで
とどかない
ひかりをちらす

こおり
のなかのてがみ
よわく
くりかえすことば

すき
かぜのなかに
まいあが(って)
なくなれば
いいのに


A2
きおくのつめたさにふれて
ないた
よるも
あさに
つぼみは
みをちらして
すぎる
ときを
つげる
はやまるこどうのキー

B2
さきのみえない
そっきょうでつづられる
ひびに

ゆさぶられたくなくて
にげた

こころにうまれたひかげ
つもるゆき
そのまま

S2
こおり
づけたきもちは
いつも
うつくしいままに

あの
えがおばかり
うつしては
ひかりをちらす

どんな
おもいもこえも
さかせ
られないのならば
なぜ
たねは
きたいして
ふくらんで
しまうの


B3
ゆびが
ふれるちかさ
きみの
うしろすがた
ここで
またかれたら
きっと
おわりになる

きえたくない
とけのこりつづけてた
こえに

つきうごかされてきみに
ふれた

せなかのうしろかくした
ことばたち
めざめて


S3
こおり
づけにしたはずだった
ラブレター

くだかれて
せかいが
はじけた

あの
たいようより
かがやいて
はなたれている

きみに
ふる
しろい
けっしょうたち
いろづき
はなびらへと
こいを
かなでながら
キーを
あけて
キーを
かなでて
わたしの
いだいたきもち
いつでも

すき
きみのなかに
すべりこむ

はるのひざし
そそぎこむ

よりそいさく
はなふたつ
おなじそら
めざして