写真が撮られるようになってどれくらい経つだろうか。歴史の教科書には偉人の写真が載っているし、明治くらいなのかな。詳しくないからわからない。

僕は写真に撮られるのが苦手だった。そもそも自分の容姿を気に入っていないから、あとから写真を見返すこともないし、何と言っても、記録に残ってしまうのが嫌だ。僕の写真を僕が見ないのなら、誰が写真を欲するものか。そんなに僕の容姿を見ないでほしい。他人からじろじろ見られるのも苦手だが、自分の写った写真をじろじろ見られるのも苦手だ。学校の校外学習のときの写真撮影がいつも嫌いだった。校外学習が終わって、撮影されたクラス写真が生徒に配られると、僕はいつもそれを見えないように適当なノートに挟んで、家に帰るなりゴミ箱に破って捨てた。

それなのに、僕は今、猛烈に写真がほしい。それも、僕自身の写真を、だ。

こんなにも僕の写真に対する思いを変えてしまうなんて。あの出来事は僕にとって、それくらい、とても大きなものだった。

ライセンス

  • 非営利目的に限ります

写真を撮らせて

オチがない、というよりむしろ、続きが思いつきませんでした。
供養。

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投稿日:2017/05/25 19:43:27

文字数:424文字

カテゴリ:その他

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