ボクは薬売りです。親方は円斎です。
この「ういろう」を食べると、舌が廻るようになります。

そりゃそりゃそらそりゃ、廻ってきたわ、廻ってくるわ。

(あかさたなはまやらわ、おこそとのほもよろを。)

一つへぎへぎに、へぎほしはじかみ、
盆豆盆米盆牛蒡(ぼんごぼう)、
摘み蓼(たで)つみ豆つみ山椒。
書写山の社僧正(しゃそうじょう)。
粉米(こごめ)のなまがみ粉米のなまがみ
こん粉米の小生がみ、
繻子(しゅす)・緋繻子・繻子・繻珍(しゅちん)。
親も嘉兵衛、子も嘉兵衛。

古栗の木の古切口、
雨合羽か番合羽か、
貴様のきゃはんも皮脚絆(かわぎゃはん)、
我等がきゃはんも皮脚絆。
しっ皮袴のしっぽころびを、
三針はり長にちょと縫うて、
縫うてちょとぶんだせ。
河原撫子・野石竹(のぜきちく)。

のら如来、のら如来、三のら如来に、六のら如来。
京の生鱈(なまだら)奈良生学鰹(まながつお)、
ちょと四五貫目。

お茶立ちょ茶立ちょ、ちゃっと立ちょ茶立ちょ、
青竹茶せんでお茶ちゃっと立ちょ。
武具・馬具・ぶぐ・ばぐ、三ぶぐばぐ、
合わせて武具・馬具、六武具馬具。
菊・栗・きく・くり、三菊栗、
合わせて菊・栗、六菊栗。
麦・塵(ごみ)・むぎ・ごみ、三むぎごみ、
合わせてむぎ・ごみ、六むぎごみ。

あの長押(なげし)の長薙刀(ながなぎなた)は
誰(た)が長押の長薙刀ぞ。
向こうの胡麻がらは荏のごまがらか真ごまがらか、
あれこそほんの真胡麻殻(まごまがら)。
がらぴいがらぴい風車。
おきゃがれこぼし、おきゃがれ小法師(こぼうし)、
ゆんべもこぼして又こぼした。

たあぷぽぽ、たあぷぽぽ、
ちりからちりからつったっぽ。
たっぽたっぽ一丁だこ、
落ちたら煮て食お。

おっと合点(がってん)だ!

心得(こころえ)たんぼの川崎、神奈川、
程が谷、戸塚は走って行けば
灸(やいと)を摺りむく三里ばかりか、
藤沢、平塚、大磯がしや、
小磯の宿を七つ起きして
早天早々(そうてんそうそう)相州小田原。
隠れござらぬ貴賎群衆(きせんぐんじゅ)の
花のお江戸の花ういろう。

あれ?
あの花を見てお心をおわらぎゃっという、
産子(うぶこ)、這う子に至るまで、
此の外郎(ういろう)の御評判、
御存知ないとは申されまいまい、
角出せ棒出せ、ぼうぼうまゆに、
臼・杵・すりばち・ばちばち
ぐわらぐわらぐわらと、

羽目を弛(はず)して今日(こんにち)お出の
何茂様(いずれもさま)に、上げねばならぬ、
売らねばならぬと、息勢(いきせい)引っぱり
東方世界の薬の元締め、
薬師如来も照覧あれと
ホホ敬って、

ういろうはいらっしゃりませぬか。

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい
  • 作者の氏名を表示して下さい

ウイロウセラー

本日ニコニコに投稿予定の曲の歌詞です。
見ての通り外郎売です。

閲覧数:330

投稿日:2013/05/05 18:07:28

文字数:1,115文字

カテゴリ:歌詞

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