帰りの車中。リンとレンは相変わらずほとんど話さなかったが、二人の表情は若干和らいでいるように見えた。
「ルカさん、リンちゃんの様子、どうでした?」
家に戻って来た雅彦は、ルカに尋ねる。
「…何とか三人がかりで説得したわ。リンはまだレンに謝れないといっていたけど、そのうちきっと謝れるようになると思うわ」
「そうですか。それは良かった」
「そういえば、ミクがいっていたけど、雅彦君もリンを説得してくれたって聞いたわ」
「はい、最初にレン君から話は聞いていたので、リンちゃんにも話を聞かないといけないと思って、話を聞いて、何とか説得できないかやってみたんです」
「その時に、リンとレンの喧嘩の原因となった曲と対になる曲があるんじゃないかって雅彦君がいっていたと聞いたけど、それは本当なの?」
「はい、リンちゃんとレン君は二人で対だととらえている人が多いんじゃないかという推測から導き出しました。二人で対なら、二曲作った場合、一曲はリンちゃん中心に曲を作って、もう一曲はレン君中心に曲を作るという曲作りも、考え方としてはあるんじゃないかって思ったんです」
「なるほど、そういう考え方もあるのねって感心したわ」
「そうですか?僕は当然の帰結だと思いますけどね」
「…そういえば、レンのほうは説得できたかしら?」
「ええっと、僕とKAITOさんで説得していたんですが、話を聞く限りリンちゃんと同じような感じです。すぐにはリンちゃんには謝れないけど、時間がたてばきっとレン君は謝れるんじゃないかと思います」
「そう…」
「レン君は自分の扱いが軽いからって不満をいうのはボーカロイドとしてどうなんだっていっていましたけど、KAITOさんに、もし立場が逆だったらレン君は不満をいわないで歌えるか聞かれて、黙ってしまったので、レン君にもリンちゃんの不満が分かったと思います」
「なるほどね」
「ルカさん、リンちゃんとレン君は大丈夫でしょうか?」
「私たちが聞いた話と雅彦君から聞いた話を総合すれば、多分大丈夫だと思うわ。…あとはあの二人の心の問題ね」
「そうですか」
「リンとレンは若いから、私やMEIKO姉様、KAITO兄様みたいに、心が十分成熟してないのよ。だから、きっとお互いのことを気づかうことができないだけ。私たちがサポートしてあげれば、二人だってきっとできるはずよ」
「だと良いですね」
「私たちは待つことしかできないわ。でも、そのうち良い知らせが入って来るはずよ。…それじゃ、何か飲もうかしら。雅彦君、紅茶で良いかしら?」
「はい、いただきます」
そういって二人はルカの部屋を出た。
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