行かねばならない　雨の流れる先へ
臨んだ罪と　錆びついた手錠
東へ東へ後ずさり　空飛ぶ火の矢に合掌
人間賛美歌を歌うパブリック　風の逆へ走れ
少年よ

独り泣き続け縋るあなたのもとへ行かねば
今の僕には何一つ残らないじゃないか
無神論　脱ニヒリズム　アナーキー　人間も
無力であっても進むための足枷だ

死なねばならない　縄と町の憧憬
地を這うムカデ　スピリチュアル信奉
命に無欲な楽観主義を遺灰とともに海に還す
血が滲みたピアノ線の銀光　反響するだけ虚しい
残沫よ

ディストピアで生きる落とし子の聲を聴かねば
鏡の自分の首に手をかけるのかな
サイコパス　聖女　焼印　道徳　幸福論
欠陥だらけの愚者が絶詩に歌えば

死にたい、生きたい　願望はいらない
自分でいられるかが全てであって
きりがない思考に溺死
風土病と白い朧月
死者と生者と光と影
砂の星に夜は二度と来ない
崩壊の都　死滅の町で　北を向いて
解の道を往け

独り泣き続け縋るあなたのもとへ行かねば
先の僕らは永劫虚無の囚人だ
エゴイズム　利他主義　人間牢獄　脱走者
自由と信念だけぶら下げて駆けろ
二人炎煙が覆う結末の先へ行かねば
僕ら敗者は汚れてなんぼだろ
滑落　戦死　敗走　希望論　負け犬

救わねば　性善説と偽善の支配だ
戦わねば　未来永劫答えはないな
生きねば　僕は僕でいられはしないな
行かねば　僕は誰の心臓にもなれないな