長い人生でしたか、短い人生でしたでしょうか
振りかえってみせたその仕草...君は旅立った


咲くことなく散る花もあり、孵る前に絶える鼓動もある中で
君は産まれ落ちました。君は生きていました


歩行の速度は緩やかに 谷から山を登るように
重き荷を背負わされながらも、それが命の宿命なのです
受け容れ難くもありながら、次第に愛しく感じたり
時間が身体に満ち溢れゆき 少しずつ老いてゆく


そして 水に産まれたものは水へと
    土に産まれたものは土へと
    円輪は廻り 時計は褪せます
    水は水へ 土は土へ
    生命は還ります


蹴り続けた地面よりもその足は情けなく
いずれ衰え、その膝を折るでしょう
空ぶったことも疲労として刻まれてしまうから
息を整え、生まれた空に「理不尽だ」と言いましたね


歩調の様子は穏やかに 眠り、夢を見るように
流れる景色を楽しみながらで それが生きる喜びなのです
古くなり忘れてしまうから 次第に鈍く感じたり
意識に霞が掛かってゆき 少しずつ閉じてゆきます


やがて 水に生きたものは水へと
    土に生きたものは土へと
    地球は廻り 計器は褪せます
    水は水へ 土は土へ
    生命は巡ります


田畑の畔の片隅や川沿いの湿地の繁みの中
生命の故郷は様々ですね
君が生まれたその場所に、君は必ず愛された
深く深く...愛されたんでしょうね


さらば、君は、――帰るべき場所へ
さらば、さらば、――遠ざかる君へ

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
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小さな君への葬送詩

さらば

閲覧数:161

投稿日:2012/07/30 12:39:10

文字数:642文字

カテゴリ:歌詞

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