これはとある老人の物語。

僕の将来の夢は アニメのヒーローのような
世界中の人達を助けて 笑顔にしたいです
なんて言ってた 幼い頃を 唐突に思い出したんだ

空を飛べる そんな能力なんて無いし
誰かを救う よりも 自分が救われたいとか
いつの間にか夢すら置いて来てしまったよ

大人の僕から幼い僕へ
君がなりたいと言ったヒーローにはなれないし
むしろ救えなかった世界に 文句を言っているなんて
そんな事を君が知ったら
かっこ悪いと言われてしまうだろうか

私の将来の夢は お花屋さんになる事です
たくさんのお花とお客さんのお店にしたいです
なんて言ってた 小さい頃を 突然思い出したんだ

いつからだろうか 花なんて見なくなって
ただひたすらに 毎日を生きていくので精一杯
いつの間にか 夢すら 忘れてしまってたよ

大人の私から幼いあなたへ
あなたがなりなかったお花屋さんはなれなかった
知らぬ間に花に興味が無くなってしまっていたなんて
そんな事をあなたに言ったら
冷たい人だと言われてしまうだろうか

時には
辛くなって 泣きたくなって 喧嘩して
仲直り出来なくて 悲しくて 逃げ出して
そんな日々の繰り返しなのでしょう
でも忘れないで
君の( あなたの ) 帰る場所はあるから
その時は 「 ただいま 」 と 「 ごめんなさい 」 を
「 おかえり 」 と 「 ごめんなさい 」 を

やがて時は経ち その瞬間はやって来る
隣に居た人は もうずっと前に居なくなって
老人は今日も若かりし日々を振り返る
色々な言葉を贈りたいけれど 今はただ この言葉を遺そう

幼い僕へ 君がこの世界で愛した人は
花屋になりたいと言っていた 笑顔が素敵な女の子だよ

老人は静かに目を閉じる
奇跡が起こって もう1度君に会えるなら
あの日言えなかった 伝えられなかった
この言葉をちゃんと贈りたいんだ

愛した人へ 君はこの世界でたった1人の
笑顔がひまわりのような 本当に大切な奥さんでした

これはとある老人の物語。

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向日葵

「 あなたは私のヒーローでした。 」

閲覧数:13

投稿日:2016/12/29 01:51:06

文字数:856文字

カテゴリ:歌詞

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