穂末(水鏡P)さん作品一覧

とりあえずいろんなことに手を出しまくってる鏡音廃です。巡音も買ったようです。

マイリス→http://www.nicovideo.jp/mylist/18736642

オリジナル曲の二次創作・派生作品等は、ボカロやPIAPROの規約の範囲内でご自由にどうぞー。

小説の更新が滞ってますが、プロットはちゃんと出来てますよ><

http://hozue.blog-fps.com/

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http://v-nyappon.net/?m=pc&a=page_f_home&target_c_member_id=12234

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2010/2/17 追記
HNを秋穂(あきほ)から穂末(ほずえ)に変更しました!

2010/7/18 追記
ニコ公開三曲目となる「水鏡プリテンス」で、P名を頂いてしまいました(ありがとうございますっ)。

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一応、お仕事やコラボのことに関して書いておきますね。以下の文章は、状況によってコロコロ変わります。

現在、曲・絵の新規依頼は受け付けておりません。交流のある方(複数回のメッセージ交換が目安)からの依頼ならば検討しますのでご一報お願いします。
作詞ならば依頼を受け付けられますが、依頼理由はきちんとお書きください。

一つの作品を仕上げるまで根気強く手伝ってくださる(ここ重要)絵師さん、動画師さんは常に募集しています。
また、作品ごとにイラスト募集を(突発的・〆切あり)することがあります。

コラボはお互いに本気じゃないと自然消滅するだけですので、やるなら本気でやりましょう。一報したうえでの延期・降板は受け付けますので。

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    【小説】wo R ld's end 12

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    TEXT
     

    「どうしよう……」

     体温計が示した値に、あたしは途方に暮れた。

     レンが倒れるのなんて、少し前まではよくあることだった。自分が芸能界に入ったきっかけも、レンの代役だった。
     別に珍しいことじゃない。
     ここ二年くらい調子が良かったから油断していただけ。雨に降られたんだから、こうなって当然だ。
     あたしが止めなきゃいけなかった。放っておけばレンは無理するって分かっていたはずなのに。

    「とりあえず風邪薬……」

     勝手にカイト兄の部屋に入って、薬箱を持ち出す。なんでこんな日に限って誰もいないんだろう。

     いくつかある風邪薬の中から、子どもが飲めるものを手にとって、表示を見る。食後だった。
     台所に行って、冷蔵庫を開ける。昨日の残りが少しあったけれど、どれも病人に食べさせるようなものじゃない。

    「こんなとき、どうしてたんだっけ……」

     一緒に暮らし始めてから何年も経っている。
     ここ最近調子が良かったとはいっても、レンがこうなったのは初めてじゃない。
     それなのに、あたしはこういうときにどうすればいいのか、何も知らない。

     いつも、誰かがやってくれていた。カイト兄がいて、メイコ姉がいて、ミク姉がいて、ルカ姉がいて。
     いつだって一番近くにいるつもりだったのに、いざというときあたしはレンのそばにいられなかった。代役で撮影に行かなければいけなくて、帰ってきてもやることなんてなくて。

    「うー……」

     なんだか泣きたくなってきたけれど、そんなことをしている時間はない。自分の部屋に戻って携帯を取り出し、電話帳を睨みつけた。

     親。……は、相談しにくい。勝手に芸能界に入ったところまでは許してくれたけれど、グループでの生活には最後まで反対していた。
     半ば家出のように飛び出してきて数年、今では以前と同じように会話できるくらい、関係は修復出来ている。
     でも、親はすべての元凶――親からすればそうなってしまうのだろう――になったレンのことを快く思っていない。

     と、なると。

     あたしは、久々に実姉の電話番号を入力した。この時間なら、いつもは電話に出てくれる。

     でも、今日に限って、何故か実姉は電話の電源を切っていた。

    「使えない奴!」

     携帯をベッドに投げ捨てて、隣の部屋へレンの様子を見に行く。やばい、熱がさっきより上がってる。

     レンの親も、グループでの生活には反対していた。今でも、たまにこの家に押し掛けてきて、カイト兄ともめている。
     急に、レンの親の気持ちが少しだけ分かった気がした。

     台所に戻ったものの、おかゆの作り方も分からず、ただ冷蔵庫を開けたり閉めたり。

     結局、また携帯電話に手を伸ばす。

    「カイト兄とミク姉は……まだ撮影中か。となると……」

     手が止まる。でも、迷っている場合ではない。

    『リン? どうしたの?』

     受話器越しに聞こえた声に安心してしまって、あたしは泣きそうになる。

    「ルカ姉ぇー……」

    『え? なに?』

     戸惑った様子のルカ姉に、なんとか事情を説明する。
     高速道路で移動中らしく、雑音混じりではあったけれど、ルカ姉は的確なアドバイスをくれた。

     言われた通りに、なんとか食べ物らしきものを完成させて、二階へ運ぶ。途中で何度かお盆を落としそうになったけれど、なんとか無事に辿りついた。

    「どう? 食べられる?」

     レンを叩き起こして、支えながら座らせた。

    「……お前、なんか焦げ臭い」

    「悪かったわね」

     文句を言いながらも、一応レンは手を伸ばした。

    「……お前がつくったの?」

    「そうよ」

    「お前にしちゃまともな方じゃねぇ?」

     よくしゃべる病人だ。でも、レンのそんな様子に、あたしは少しだけ安心した。

    「まずいけど」

    「悪かったわねっ!」

     ゆっくり、ゆっくりとレンはスプーンを口に運んでいく。

    「お前、俺の好みの味くらい知っとけよ」

    「知ったところで再現できないよ」

    「だろうな」

    「……そこは否定してよ」

     レンを見ながら、好みの味かぁ、とあたしは考える。
     そういえば、レンの好きな食べ物すら、あたしは知らない。昔は知っていたけれど、今は違う。
     でも、あたしの好みの味を、レンはよく知っている。レンが料理担当のとき、いつもレンはあたしの味覚に合わせてくれる。

     別に、女の子は料理上手じゃなきゃいけない、なんてあたしは思わない。
     でも、好きな子のために料理をつくれたら、それはとても楽しいことだと思う。
     誕生日ケーキとか、バレンタインデーのチョコレートとか、作って渡して喜んでもらって。一度くらいは、あたしだってそんな経験をしてみたい。レンが好きなチョコレートは、あたしが好きなものよりも、多分苦い。

     まずいと文句を言いながらも、レンはなんとか全部食べて、薬を飲んだ。

     レンを寝かせ、食器を片づけようと立ち上がると、突然服の裾を掴まれた。

    「なに?」

    「……玄関、鍵かけたか? ガスの元栓も確認しとけよ。焦がした鍋は洗わなくていいから水につけとけ」

    「うるさいなぁ……病人は自分の心配だけしてなよ」

    「心配してどうなるんだよ」

     レンは、呆れたように言って、掴んでいた裾を離した。それが、ほんの少し、寂しかった。

    「おやすみ、リン」

    -----

    「なんか臭い……」

     帰ってくるなり、ミク姉はそう言って眉を顰めた。
     ミク姉がまとっている控えめで上品な香水には、その値段ほどの防御力はなかったようだ。

    「リンちゃん、焦がすのは仕方ないけど、窓くらいあけようよー」

     ガス漏れてないよね、と失礼なことまで言いながら、ミク姉は換気扇のスイッチをオンにして、台所の出窓に手を伸ばす。
     でも、わずかに届かない。
     位置が高いわけではないのだが、調理台の奥にあるから、ミク姉の身長では開けられないのだ。

     少し遅れて家に入ってきたカイト兄が、ひょいとその窓を開け、それが気に食わなかったらしいミク姉と口論になる。

     ……なんか、平和だ。
     あたしはソファに寝転がって、そんなことを思う。

     このままの日常が嫌だと思った。変わってほしいと思った。それは、世間の見る目や自分の立ち位置に対する不満というよりも、たった一人との関係に対する疑問だった。
     でもあたしはどこかで、どうせなら世界すら変わってしまえばいいと、そう思っていたのかもしれない。

     ふと、視界の端に携帯電話が入った。あたしはそれに手を伸ばし、なんとなくルカ姉に電話をした。

    『ちゃんとつくれた?』

     うん、ルカ姉も普通だ。全部全部、昨日までと同じだ。そして、それはすごく幸せなことなのかもしれない。

    「うん。ミク姉たちも帰ってきたよ」

    『声がするから分かるわ。喧嘩するほど仲が良いっていうけど……うるさいわね』

     その奥から、酔っているらしいメイコ姉の声もした。確かにうるさい。
     あたしとルカ姉は、くすくすと小さく笑った。

    「……ねぇ、ルカ姉」

    『なに?』

     あたしは、なんとなく、携帯電話を握り直した。

    「ありがと。色々と」

     映画のことは、やっぱり悔しい。認めたくなんてないし、見たくもない。
     でも、やっぱりあたしは、ルカ姉が好きだ。皆と一緒にいる、このままの日常が。

     ――でも。
     それでもあたしは、ずっとこのまま、なんて嫌なんだ。

    またまた二ヶ月以上も放置……;; ほんとすみませんorz
    ちなみに、リンの実姉は、Lilyのイメージで……。

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    投稿日時:2010/08/26 23:04:09

    閲覧数:322

    カテゴリ:小説[編集]

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