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これが~ユージの歩く道! 第一話

投稿者:usericonシン

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~プロローグ~ 三人の出会い編

 ギィィィィ……
 扉が――
 軋みながら、閉まってゆく。
 それはまるで、一つの世界が終わるように――
「お前なんか、いなくなればいい」
「そ~だ、そ~だ。邪魔なんだよ」
「消えちゃえ~、消えちゃえ~」
「もう、顔も見たくない」
「どっか行けよな」
「そ~そ」
「友達だろ?」
「まあ仲良くしようぜ」
「嫌いだけどね」
 バタン……
 そして扉が――
 ゆっくりと、完全に閉まる。
 ある日、突然のように―― 
 目の前の世界が、小さく終わりを告げたように――
「さよなら」
 カチャリ――
 鍵が静かに……
 重く閉まる。
「また、今度」
 そして――
 誰かが……部屋に閉じ込められた。
(イヤだ……もうイヤだ……ごめんなさい……ごめん、なさい……)
「ね、ねぇ……ここから、出してよ……」
 少年の声が……暗く、狭い空間に、虚しく籠る。
 立ち向かう勇気もなければ、強さもない。いつものことだった……
 扉を叩くこともできず、ただ怖気づく……
 だから相手も調子に乗る……少年をイジメル。
「弱虫泣き虫は、ここに入ってろ」
「わ~い、わ~い。暗いぞ~、怖いぞ~、何も見えないぞ~」
「ここなら先生にも見つからない。あ~あ、かわいそうだな~」
「おもしろ~い、たのし~い」
「でもよ、こいつが見つからなかったら。おれらが先生に怒られるじゃん」
「え~、そうだった。んじゃどうする?」
「仕方ねぇだろ、後からこいつんとこ戻るしか」
「そっか~。それまで、どっかであそぼ~ぜ~」
「そうだな。おれらが来るまで、おまえはここにいろよ」
「行こうぜ。じゃ~な~」
 暗闇の向こうで、はしゃぐ少年グループの声が聞こえる。
 そして、声が遠ざかった……それは、いつものように……
「ぼくを、独りにしないで……」
 ドク、ドク、ドク。……心臓の鼓動。
 何故か自分の心臓の鼓動を感じると、安心してしまう……
「何でぼくを、イジメルの?……」
 そんな毎日が続いた……先生が見ていない所で……
 両親だけが、少年の唯一の理解者だった。
 少年は、両親に何も言えなかった……
 両親は、自分の息子の様子に気付いていた。
 あえて少年の両親は、何もしなかったのだ……
 自分の息子の強さを見守るために……
 大きく試していたのだ……
 ただ、がんばってほしかった……
 だから少年は、一人じゃなかった……
 精一杯自分なりに強くなろうとしていたのかもしれない――
「みんな、嫌いだ……」
 お決まりのセリフを、カッコつけて言う少年がいた。
 今日も同じ場所で……
(なんで、ぼくだけ……イジメられるの?……)
 壁に背もたれ、三角座りをして小さくなり、俯いたまま言う。
(こんなの友達じゃない、友達じゃない……友達?……!?)
 その時――
 少年の中で、初めて……
 確実に、小さく、そして大きく――
 蓄積された負の感情……怒りの炎……
 二つが混ざって、勢いよく燃え上り、爆発した。
 顔を上げ、別人のような少年が、立ち上がった。
「やっと、出られたか……」
 少年は、不思議そうに……
 自分の体を、確認するように見る。
 そして、大きく深呼吸する――
 真っ直ぐに、扉を睨みつけた。
「もう怖くねぇ……仕返ししてやらぁ……今に見てろ」
 全身が震え上がる――片手で握り拳を作る。
 覚悟を決め、叫び声を上げた。
「いっ、けぇー!」
 扉に向かって、獣のように、突進した。 
「ここから出せ!」
 狂ったように体当たりを繰り返し、ドアを力強く叩く。 
「やっぱ、ダメか。血が足りねぇ、あいつらを殴りてぇ」
(お、怒ったらダメだ……ぼくが、ぼくじゃなくなるみたいだ……)
 それは――
 感情任せに目覚めた、もう一人の自分だった――
(この力があれば、ぼくは何でもできるような……)
 やがて少年は、信じられないというように――
 力に酔いしれ、この力を欲した。
 この先、必要だと思った。
 そして、もう一人の自分に呑み込まれた。
(うわぁぁぁぁぁぁ……)
「お前じゃ弱い、ボクは強い」

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投稿日時:2009/12/08 21:42:12

閲覧数:59,235

カテゴリ:小説[編集]

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