そこにいるのは
粗悪品(ガラクタ)のなれの果て

無様に踊る片腕人形と
時折音が飛ぶ音楽箱(オルゴォル)と
綺麗な化粧を施した誰かの顔が
それに合わせて高く笑う



ただ一人、暖かな血が通う体を持つ

それが僕。



手を叩く音が
鳴り止むことはなく
いつまでも続く
楽しい悲しい余興(サーカス)



彼女はとびきりの高い声を
つぎはぎ喉から絞り出す
流れる髪の毛。先は解けて
からから鳴る音楽人形

歌い終わったその顔は
歪に口許を歪ませる



美しいけれど冷たくて
触れたら溶けてしまいそうなほどに氷
白く、血の気の引いた身体で横たわるけれど
そのガラスの目は一体何を映してるの



僕の心が作り物だったなら
今すぐこの胸を裂いて君に差し上げたい
赤く刻む鼓動を目の前にしても
君は微笑んでくれるの?





回る歯車
時計の長針
合わせて動いた
揺れるブランコ
ラッパの音に
火花がぱらり

拍手、拍手、拍手





壊れていたらなにも感じないのにと
呟いた言葉は歓声にかき消えた

いっその事壊れてしまえばいいのにと
呟こうとした言葉は煙で消えた



静かに座る君の首に手を伸ばす
見下ろすその顔は歪んで見えたから
もしかしたら泣いていたのかもしれない



ひとつ
ふたつ
ひかる
夜の明かり

隠れるように目を瞑る





僕の心が作り物だったとして
いつかガラクタになるのがわかっているならば
君の胸、掻き開いて
この鼓動(ビィト)を置いてゆこう





今宵も月に隠れるように
貴方の目を覆い尽くす音と
九羽の鳥が木に止まったら
それを頼りにこちらへおいで



無礼に歌う片足人形と
時折指が舞う演奏家(ピアニスト)と
綺麗な化粧を施して
貴方のことをお待ち申せております



さぁ

サーカスをハジメマショウ

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • 作者の氏名を表示して下さい

タイトル未定(サーカス音楽風)

ひっそりと森の中に佇む大きなテント。
そこでは夜な夜な盛大なサーカスが行われています。
団長はまだ幼さを残す顔つきの男の子。
団員は全て自動人形。
その中で彼はいつのまにか、歌姫を愛するようになりました。
けれど彼女の身体は日に日に壊れていくばかり。

ある日、彼は大きな決意を持て余しながら
彼女の首に手を伸ばしました。



そんな感じの物語音楽。

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投稿日:2013/01/20 17:34:38

文字数:833文字

カテゴリ:歌詞

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