ある日僕はクラゲ達と共に海を泳いでいました。
クラゲ達はカラフルで、海は綺麗で。
とても心地よかったんです。

そんな時、海の底に光を見つけました。
最初は宝物だと思い近付いたのですが、光に近付くにつれて綺麗な歌声が聴こえてきました。 その光は美しい人魚だったのです。

僕はいてもたってもいられず、こう声をかけました。
「もし、よかったら、一緒に歌いませんか?」

意気投合した僕達は、二人一緒に疲れるまで歌って、笑いました。

もう夜になっていました。人魚は、
「また明日」というと、泡になって浮かんでしまいました。
まだ一緒にいたい、そう考えた僕はその泡を追いかけました。

そんな時、気付いてしまったんです。
人魚は彼女だと。

(回想シーン)
その日の放課後、僕が教室の前に行くと、中から綺麗な歌声が聴こえてきました。
僕はいてもたってもいられず、「もし、よかったら、一緒に歌いませんか?」と声をかけました。

彼女は最初、驚いたような表情をした後微笑みながら「いいよ」と返事をしました。

彼女はとても優しい子でした。

その日から毎日そこで歌いました。彼女と一緒に過ごす時間はとても楽しくて、お互いに惹かれあい、付き合うようになりました。


そうして月日は流れ、ある時、彼女は急にこう投げかけました。
「もし、私が歌わなくなったらどうする?」
僕はなんでそんなことを言うのだろうとも思わず。
「歌わないなんて君じゃないじゃないか」
と笑い飛ばしました。
彼女も「そうだよね」
と笑っていました。

その時に気がついていればーーー


次の日彼女は姿を現しませんでした。
そして一通のメールが。

彼女は重い病気だったのです。
“命のためには声を失うしかない”

必死に病院を探し駆けつけた時にはもう遅かった。
彼女は病院の屋上にいました。
僕に送られるメール。
“また来世”
そう残し、彼女は飛び降りました。

歌がなくても彼女が好きだった。
声がなくても彼女を愛していた。

でももうそのことすら伝えることが出来ない。

顔を上げると目の前には海がありました。
ここで身を投げれば来世で君と会える。
そう考えた時にはもう行動に移していました。


海で君と会う夢を見ていました。
その夢が醒めたとき、丁度僕は救助の方に呼びかけられていました。
君が僕を導いてくれたんだね。

“生きて、来世で待ってるから”

そう聴こえた気がしました。

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
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【解釈説明】Sea song

曲募集中のSea songの解釈説明です。

piapro(ピアプロ)|テキスト「【曲募集】Sea song」 http://piapro.jp/t/aZAs #piapro

閲覧数:249

投稿日:2015/09/01 19:04:05

文字数:1,029文字

カテゴリ:小説

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