花占い
花占イストの朝は早い。
花のとげで指を傷つけないように、
花が夜露に濡れているうちに行うからである。
花占イストたち――それは主にみずみずしい乙女たちであるが、
彼女たちは花びらの一枚一枚に不安と期待を込めて
細い指でつまみとっていく。
こうして摘まれた紅花の花びらだけで作られた紅は、
『紅乙女』として平安時代から
宗教儀式用の最高級品として珍重されている。
(民明書房『いのち紅 恋せよ乙女』より)
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