「サヨナラ」　抱えた花束　淡い空に投げた
揺らしたてのひら　ひらひら　ちょうちょみたいだった
転がるリンゴを追いかけても　退屈なだけだった
きみと歩いた踵から　優しいオトがした

この場所で　描[えが]きだす　御伽話[ものがたり]

泣かないで　赤い目　きらきらなみだ
あたらしい　傷跡も　撫でてあげるよ　
きみの蹄[ひづめ]が踏みつけた花びら踊るよ
ささやかな　ねがいごと　繋ぐてのひら
閉じ込めたまま


「サヨナラ」　隠れた三日月　薄い雲へ逃げた
騒いだこころが　ころころ　坂を下り消えた
並んだ外灯[ランプ]を数えながら　長い影を追った
きみと繋いだ手のひらを　ぎゅっと握りしめた

いつまでも　おわらない　御伽話[ものがたり]

泣かないで　赤い目　ぽろぽろなみだ
つまらない　夢の続き（※）　食べてあげるよ
きみの蹄が踏みつけた香りが続くよ
ささやかな　約束も　小指の先に
絡ませたまま


きみと歩く　長い道を
きみと繋ぐ　ふたり手と手
きみと鳴らす　踵と蹄
ららら
きみと
ずっと


**********


さよなら　かかえたはなたば　あわいそらになげた
ゆらしたてのひら　ひらひら　ちょうちょみたいだった
ころがるりんごをおいかけても　たいくつなだけだった
きみとあるいたかかとから　やさしいおとがした

このばしょで　えがきだす　ものがたり

なかないで　あかいめ　きらきらなみだ
あたらしい　きずあとも　なでてあげるよ　
きみのひづめがふみつけたはなびらおどるよ
ささやかな　ねがいごと　つなぐてのひら
とじこめたまま


さよなら　かくれたみかづき　うすいくもへにげた
さわいだこころが　ころころ　さかをくだりきえた
ならんだらんぷをかぞえながら　ながいかげをおった
きみとつないだてのひらを　ぎゅっとにぎりしめた

いつまでも　おわらない　ものがたり

なかないで　あかいめ　ぽろぽろなみだ
つまらない　ゆめのつづき（※）　たべてあげるよ
きみのひづめがふみつけたかおりがつづくよ
ささやかな　やくそくも　こゆびのさきに
からませたまま


きみとあるく　ながいみちを
きみとつなぐ　ふたりてとて
きみとならす　かかととひづめ
ららら
きみと
ずっと