逆さまの月が見ている
背徳の罪を啜る私を
清冽な影は裁きの火のように
穢れた瞳に咎を烙きつける
君が思うより残酷で
私欲に眩んだ 私の魔性
この首繋ぐ銀の鎖で
哀れな翅を彩り立てて
君という蜘蛛の巣に絡まろう
この身吸い尽くされるまで
賢しらな月は欠け果てて
熟れすぎた夢の潰える匂い
夜風に咽ぶ狭間の道を
お帰りなさい さあ、この夜から
君が思うより残酷で
優しく真摯な その眼差し
名残惜しむその手を離れたら
二度と見えることもないけれど
いずれまた、と微笑み 見送ろう
君を欺き尽くすまで
忘却の森を抜け 明時に
君が在るべき場所へ還るころ
闇に繋がれた私一人きり
月の刃に露と消えるとも
---(※以下、全ひらがな表記/適宜空白を入れてあります)---
さかさまのつきが みている
はいとくのつみを すするわたしを
せいれつなかげは さばきのひのように
けがれために とがをやきつける
きみがおもうより ざんこくで
しよくにくらんだ わたしのましょう
このくびつなぐ ぎんのくさりで
あわれなはねを いろどりたてて
きみというくもの すにからまろう
このみ すいつくされるまで
さかしらなつきは かけはてて
うれすぎたゆめの ついえるにおい
よかぜにむせぶ はざまのみちを
おかえりなさい さあ このよから
きみがおもうより ざんこくで
やさしくしんしな そのまなざし
なごりおしむ そのてをはなれたら
にどと まみえることも ないけれど
いずれまた とほほえみ みおくろう
きみを あざむきつくすまで
ぼうきゃくの もりをぬけ あかときに
きみが あるべきばしょへ かえるころ
やみにつながれた わたしひとりきり
つきのやいばに つゆときえるとも
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