中学2年生の夏、私は転校生になった。

次の日の朝、教室に入るなり大慌てで男の子が私に声をかけた。きっとまだ黒板に書いてあったのを覚えただけの私の名前を呼んで、私の存在を確認するように近付いてきた。

「良かった、、生きてた、、、。」

椅子に座っていた私に彼はそう言葉をかけた。そこからは饒舌に彼が見た昨日見た夢の話ををしてくれた。どうやらは私は彼の夢の中で彼に殺されたらしい。それが妙に現実味を帯びていたらしく、私が本当に生きているのか不安になったという。

その話を他のクラスメイトたちも聞いて彼も笑いあっていた。ただ呆然と私は彼が楽しそうに、でも少し不安気な様子で話している横顔を眺めていた。

(殺してくれて、ありがとう。)

私は心の中でそう呟いた。
物心ついた時から常に家庭問題に悩まされ、最終的には村の人には恨まれ、あらぬ誤解を受けながら祖母にも「殺されろ」と言われて狭い村を出てきた。父親が亡くなって間もなかったこともあり、私はもいつでもそちらの世界に行ってもおかしくないと思っていた。

何もかもを捨て去ってしまって、消えてなくなりたかった私を、彼は文字通り「殺してくれた」のだ。
彼の中で私はもう既に1度死んだのだ。

彼が私を殺してくれたから、私はもう死ねないと思った。

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13才と朝

なんかこんな感じの小説を書きたいなぁと思ってます。今回はとりあえず短編で。

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投稿日:2017/01/02 14:52:20

文字数:547文字

カテゴリ:小説

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