「…それで、西野君、論文の進捗具合はどうだい?」
 ここは安田研究室。雅彦は今日中に論文を完成させなければいけない西野に話を聞いていた。
 「ええっと、論文は多分今日中には完成できると思いますが、少し遅くなりそうですね」
 論文の進捗度合いを確認して答える西野。
 「武本君、君は今日残れるかい?」
 「ええ、今日は特に何もないですし、進捗具合は知っているので、ヒロの論文を手伝ってやれると思います」
 その武本の答えにうなずく雅彦。
 「…そうか、それじゃ、武本君、西野君を頼んだよ。僕は西野君の論文が完成するまで残っているから、完成したらいってきてくれないか?論文の確認をしなきゃいけないからね」
 「はい、分かりました」
 そんなやりとりを終えて、自分の部屋に戻る雅彦。部屋に戻って、しばらく考える。
 (…やっぱり、家に連絡を入れておかないといけないな)
 そう考えて、家に連絡する雅彦だった。

 「はい、もしもし。…あら、雅彦君じゃない」
 対応したのはMEIKOだった。
 「あ、MEIKOさんですか」
 「どうしたの?」
 「あのですね、今、大学なんですが、今日中に論文を完成させないといけない学生がいて、その面倒を見るので、今日は帰りがかなり遅くなります」
 「あら、前にいっていた話ね。分かったわ」
 「それでですね、頼みがあるんですが」
 「何かしら?」
 「大したことじゃないです。今日は帰りがかなり遅くなる可能性があるので、みなさん僕を待たずに寝ていてもらって構いません」
 雅彦の提案について、しばらく考えるMEIKO。
 「…分かったわ。夕食は残しておけば良いわね」
 「そうですね、帰ったら暖めて食べます。特に、ミクには早く寝るように伝えて下さい。ミクは確か明日は早かったはずですから」
 「ちょっと待ってね…。そうね、確かにミクは明日早いわね。分かったわ。ミクにはそう伝えておくわ」
 端末に入っているスケジュール管理アプリケーションを起動し、ミクのスケジュールを見ながらMEIKOがつぶやく。
 「それでは、お願いします」
 そういって電話を切る。
 「…とりあえず、自分の論文でも書くか」
 しばらく何をするか考えていた雅彦だったが、コーヒーを淹れて、自分の論文の続きを書くことにした。

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初音ミクとパラダイムシフト3 1章24節

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投稿日:2017/02/26 23:36:59

文字数:963文字

カテゴリ:小説

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