エレベーターが上昇する。
扉と向かい合わせに大きな窓。
ひとり、遠くなる地上を見つめた。
今ならまだ、逃げられる。
この窓を割れたなら、
後悔する資格さえも失う。
悪くない。


エレベーターが止まる。
暗くなる。
ひとりだった。
嬉しくて、寂しくて、涙が出た。
目を閉じても同じ景色。
望んだはずだった。
望んでいた世界だった。

とめどなく顔を伝う涙はいうことを聞かず、しゃがみこんだ。
どうして?


小さな声がする。

目を開けると最上階にいた。

大丈夫だよ、絶対。

天井から声が降る。
同時に扉が開く。
君がいるかはわからない。
でも、もう一度。
進んでみてもいいのかもしれない。
悪くない。
そう思った。

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I Needs to Be Bee’d with

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投稿日:2014/03/01 14:44:12

文字数:310文字

カテゴリ:その他

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