『酔中金魚』


低く囁く名前に振り返る
五月雨光る欄干 霞む姿
雨樋から溢れる水音が
重ねた手と手の罪 掻き消すように 響いた

愚かだと 分かってたはずなのに
責めるような喧騒に 耳塞いだ

雨隠れて 濡れた髪
梳きながら 肩抱き寄せる
慣れた手つきに 醒めることなく
夢に溺れて 金魚は眠る
深い沼の暗闇

知らぬ駅の切符を 握りしめ
行き交う人の合間に 貴方探す
すさぶ風と不安に 丸まる背を
包む腕は人目を 憚りもせず 優しい

忘憂と 知っていたはずなのに
頑なな未来を 信じてた

忍ぶような 恋だから
酔いしれる 時も忘れ
明ける朝など 望むことなく
夢に微睡む 金魚が嘆く
熱い吐息 縋るように
手を伸ばす窓の外 泡沫 月が歪む

忍ぶような 恋ならば
限られた 時も忘れ
暗い淀みに 足掻きもせずに
夢に溺れた 金魚が沈む
深い底へ ゆらゆら

低く囁く名前に振り返る
霞みの先に貴方は まだいない



※文字数の合わない「ような」は「よな」で歌わせてください。
歌わせる上で不都合な部分の変更修正も受け付けます。



■ひらがな

ひくくささやくなまえに ふりかえる
さみだれひかるらんかん かすむすがた
あまどいからこぼれる みずおとが
かさねたてとてのつみ かきけすように ひびいた

おろかだと わかってた はずなのに
せめるようなけんそうに みみふさいだ

あまがくれて ぬれたかみ
すきながら かただきよせる
なれたてつきに さめることなく
ゆめにおぼれて きんぎょはねむる
ふかいぬまの くらやみ

しらぬえきのきっぷを にぎりしめ
ゆきかうひとのあいまに あなたさがす
すさぶかぜとふあんに まるまるせを
つつむうではひとめを はばかりもせず やさしい

ぼうゆうと しっていた はずなのに
かたくななみらいを しんじてた

しのぶような こいだから
よいしれる ときもわすれ
あけるあさなど のぞむことなく
ゆめにまどろむ きんぎょがなげく
あついといき すがるように
てをのばす まどのそと うたかた つきがゆがむ

しのぶような こいならば
かぎられた ときもわすれ
くらいよどみに あがきもせずに
ゆめにおぼれた きんぎょがしずむ
ふかいそこへ ゆらゆら

ひくくささやくなまえに ふりかえる
かすみのさきにあなたは まだいない

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい
  • 作者の氏名を表示して下さい

酔中金魚

うあじゃさんの作品(http://piapro.jp/t/fTMh)への応募作です。

閲覧数:345

投稿日:2015/11/16 21:40:56

文字数:989文字

カテゴリ:歌詞

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