ジャケット

六月の雨宿り 文庫本が鎮座するその室
古びた木材は湿り気 そして鳴くカラス 泣く本
夕暮れの陽は嘯き 大して凄くもない語彙力
露呈した低脳どもの残骸と 風切る魔女狩りの懺悔と

鈴鳴らし奥へ進む 古い本に囲まれる閉塞
息が詰まりそうな懐古心 そして汚濁物 抱く本
上昇気流に祈る手 王道を行かんとするノベル
但し主人公は最後に死を 流るる泪 ヒロインにも死を

「もっと面白い話できないの?」
「だってこいつらはもう、草臥れているから」

抱いたこともなき幸福を いつかの為にと溜めたからと
それで幸せになれたとして あなたの挟んだ栞の意味は?
言葉に出来ぬ所以からか いつしか僕は言葉忘れ
活字を産み埋もれたとして あなたの見ていた表紙の意味は?

見飽きた英字本 何奴も取り敢えず人を殺したがる
道徳を詰め込んだ偽善の本 好物 請う本
ポードニア図書館・受付は 未だ誰の影も見当たらず
しかし神隠しなんて大層でなく それは本どもの立派な殺戮

啓蒙のきらい 或る朝の陽を夕焼けと勘違い
木造の窓の棧には埃 冬に氷瀑 標本
光沢を誇示する 水溜まりに反射する恒星
どれを取っても慰藉にはなりはしない 中折れ帽被った男は謂う

「もっと悲しい出来事聞かせてくれ。」
「君のように残酷な人と出会ったことだよ。」

叶えたい程の夢であれば ここで本なんて読んでるなよ
それで不幸になれたとして 此奴等は何も悪くないぜ
言葉に出来ぬ所以からか いつしか僕は言葉忘れ
雨雲見つめ愁いたとして 彼奴等も何も悪くないぜ

どんなに空を見上げたって ポードニア図書館はここで息をする
埃かぶってしまわぬように 僕はその本をまた手に取る

「六月の雨宿り、文庫本が鎮座するその室。
古びた木材は湿り気、そして鳴くカラス。」

黒々とした空を過ぎても 僕の気持ちは晴れないよと
勝手に沈み込んだとして 閑静な本は無慈悲の極みだ
言葉に出来ぬ所以からか いつしか僕は言葉忘れ
そしたら端から消えていくさ 最後には価値も何もないさ

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ライセンス

  • 非営利目的に限ります

ポードニア図書館 - テラ (off vocal Ver.)

閲覧数:60

投稿日:2018/03/20 12:52:27

長さ:04:53

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カテゴリ:カラオケ/インスト

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