夏は末 名残る暑さの 境内や
見上げし空は青 思ひ浮かぶるは
稲海の中 陽炎のやうなる君の事

もろともに遊びし あの夏を
私のことを 覚えたり?
すぎし日の事を 思ひ出し
ただただ一人 慰むる
 

夏は半(なか) 干からびるやうな 炎陽(えんよう)や
くぐる鳥居は朱(あか) そこに続くるは
稲海を過ぎ 山裾を昇る石段よ


もろともに遊びし あの夏の
川のせせらぎ 蝉時雨
駆け抜けた道は 帰り道
ただただ願ふ またいつか


幼少に 田舎で遊びし 記憶なり
稲波と共に なびく黒髪を
いつもこの時期に 思ひ出す


夏は末 名残る暑さは いづこやら
からくれなゐの空 なびく黒髪は
稲海を抜け 山裾を昇る涼風よ

蚊帳の下誘ひし 微睡みは
気がつかばもう 晩夏なり
会へざる事を 歎きつつ
また微睡みに 落ちていく

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい
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晩夏(仮)

小夏ちゃんと緋惺が「会いたいな」と思いつつ互いに晩夏になっては後悔する話。

一番は現在の緋惺。神社の境内で、夏も終わりなのにめっちゃ熱いなか、ふと、小夏ちゃんのことおもいだして、「あの娘は私のこと覚えてるだろうか」と一人感傷に。

二番は幼いころに田舎に遊びに行った小夏ちゃんが、田んぼの真ん中で神社の娘の緋惺とあってめいっぱい遊んだ夏の記憶。炎陽の熱い熱い夏は、神社の鳥居と田んぼの青々とした稲やら山をのぼる石段やら、川のせせらぎやら蝉時雨やらめいっぱいこの神社の山を緋惺と一緒にはしりまわって帰りは、自分たちがかけてきたこの道を帰って「また緋惺に会いたいな」って。

サビ?に、これが小夏ちゃんの記憶だよというのと、緋惺の黒髪をいつも夏の終わりに思い出して(会いたいな)ってなってるよってのを補強してます。

ラスト三番は、緋惺。回想していたらいつのまにか寝てしまって、真っ赤な夕暮れになってしまって、山の下から涼風がのぼってきていた。その涼風が小夏ちゃんの記憶にのこっている、緋惺の黒髪で遊んでいる。そして蚊帳の下で、涼風が気持よくて(同時に森や稲のやわらかな匂いを運んできてて)眠たくなって、その涼しさに晩夏であることを思い出し、あぁ彼女には会えないんだなぁとおやすみなさいする。

お互い会いたいのに会えない、そんなもどかしさ。真綿を喉に徐々に詰められるような息苦しさがある。ちなみに、小夏ちゃんが成長したイメージは「花鳴屋こまち」で、こまちになってようやく緋惺に会いに行くのが、次の曲にしたい。

言葉使いは、随所で百人一首を意識して、また古語主体に構成してます。完全に古語ではないのは国語で古文全滅レベルの知識しかなかったため。歌詞は必要に応じて手をいれる予定です。

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投稿日:2015/07/31 16:40:43

文字数:361文字

カテゴリ:歌詞

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