彼女にコンプリモ

彼女にコンプリモ
(詞曲編:murasaky)

削れた石畳を通り抜けて消える異国の風に
惑わされぬよう　町をはずれ七歩　ピアノの音が響く酒場

来るたび少しばかりのワインで酔ってしまうのは
踊り狂う女たちのせいなんかじゃない

君が着ているからか　真っ赤なドレスも僕を誘う
小さく笑って「お上手ね」の仕草に今夜も乾杯


週末仕事終わりに立ち寄ると　いつも人混み避けて
グラス片手に音のなる方へと目を向けると彼女はいる

それはこの世でたったひとつの光　こんな夜には
君に見とれ　通り雨も立ち止まる

この一晩中　空が流した涙は町を融かし
恋人たちを急かす熱帯夜を曇る窓が隠すように
気の利いたセリフも君だけに捻る愛の言葉
酔わせて　ただ僕を　吸い込まれそうなその瞳の奥へ


Ah 愛が始まるには　着飾って踊るだけの人形
そんなもの千年前からいらない

明けない夜に君という名の迷宮に迷い込んだ
でも薄暗いならなおさら僕は君を探すだろう
明日の君がどんな色のドレス身にまとっていようと
彼女にコンプリモ　その微笑みをただ僕にみせてほしいだけ