☆1A
霞麗らか7
此世花と散る8
絶えず紡げど7
いとをかしからん8
☆1Bb
せめて逢瀬を願えども12
相入れぬ蝶 風に立ち12
☆1S
行方知れず遥か9
雲上の月にて9
さればとて咲き逝く運命と13
☆2A
萌木健やか7
浮世雪融ける8
浴びて手繰れど7
いと切なからん8
☆2B
せめて御無事を祈れども12
渦巻く旋 胸騒ぐ12
☆2S
何処知れず遥か9
月下の蝶なれど9
さればとて祈りたもう也13
◇◆◇◆◇◆◇◆◇
1a
かすみうららか7
このよはなとちる8
たえずつむげど7
いとをかしからん8
1b
せめておうせをねがえども12
あいいれぬちょう かぜにたち12
1s
ゆくえしれずはるか9
うん(じょ)うのつきにて9
さればとてさきゆくさだめと13
2a
もえぎすこやかに7
うきよゆきとける8
あびてたぐれど7
いとせつなからん8
2b
せめてごぶじをいのれども12
うずまくつむじ むねさわぐ12
2s
いずこしれずはるか9
げっかの(ちょ)うなれど9
さればとていのりたもうなり13
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
【意訳】
霞みが晴れるように花がはらはらと散るように、この世は移り行くもの。絶やさないように繋ぎ止めていたいと思っても、想う儘にはなりはしない。
せめて一目お逢いしたいと願ってはみても、強い風に翻弄される蝶のようにそれは叶わない。
雲の上の月のように、貴方は行方知れず。
けれども、それが運命と思い、この場所で咲いている。貴方が気付いてくださることを願って。
萌えるような若葉は健やかに伸び、雪は溶けて月日は巡っていく。
その光景をこの身に受けて想いを馳せても、切なさが募るだけ。
せめて御無事でいてくださいと願っているけれど、旋風が渦巻くように胸騒ぎがする。
月夜の番に宵闇に紛れる蝶のように、何処へいらっしゃるかはわからない。
けれども、ただ無事でお帰りくださる事をお祈り申し上げています。
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