まるで天使が寝息を立てるような

小さな小さな呼吸音が聞こえます





それも次第に小さくなっていき

ついには消えてしまったといいます





天使は長い睫毛を伏せ

幸せそうに夢の世界へ入っていきました





それを見て

少年たちは崩れ落ちました





頬には光るものが

後を絶たなかったそうです……







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それから数年後




彼たちの元に

幻が現れました






「そんな暗い顔して…幸せが逃げちゃうよ?」






驚く彼たちを前に

幻は頬を緩ませました






「みんな………私の分まで幸せになってね?」






そう言うと

花が散るように幻は消えたそうです









.









.









.









彼たちは彼女の遺言を守ろうとしました

しかし、どう努力してもそれは出来なかったそうです






「彼女がいない世界ではどうしても無理があった」

と彼たちは語りました

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

幻の彼女

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投稿日:2017/05/16 19:00:48

文字数:475文字

カテゴリ:小説

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