まるで天使が寝息を立てるような
小さな小さな呼吸音が聞こえます
それも次第に小さくなっていき
ついには消えてしまったといいます
天使は長い睫毛を伏せ
幸せそうに夢の世界へ入っていきました
それを見て
少年たちは崩れ落ちました
頬には光るものが
後を絶たなかったそうです……
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それから数年後
彼たちの元に
幻が現れました
「そんな暗い顔して…幸せが逃げちゃうよ?」
驚く彼たちを前に
幻は頬を緩ませました
「みんな………私の分まで幸せになってね?」
そう言うと
花が散るように幻は消えたそうです
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彼たちは彼女の遺言を守ろうとしました
しかし、どう努力してもそれは出来なかったそうです
「彼女がいない世界ではどうしても無理があった」
と彼たちは語りました
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