scene#09

フェードイン
ナオのアップ。少し引くとユウの顔がナオの肩越しに入ってくる。ナオがユウをおんぶしている。

ナオ ナレ 「なんでこうなったんだろう?」

ユウ、ナオの上で頭をゆらゆらしている。時折キョロキョロする。

ナオ ナレ「この子はユウというらしい。ちょっと足らないみたい。お姉さんと
      はぐれてしまったようだ。」

ナオ「なあ、ユウくん、おねえちゃんはどこ行くっていってたん?」
ユウ「しっし、し、しらん。」
ナオ「そっか。。。じゃ、おんっrちゃんは何してる人?」
ユウ「あ、ああ、ああ、あ、」
ナオ「ん?」
ユウ「お、お、おにいちゃん、、だ、だ、、だれ?」
ナオ「はあ。。。ナオって言うんだ。」

ナオ ナレ「もう何回この会話を繰り返したんだろう。。おねえちゃんが居ないと、
      泣き出したもんで、ほっておけず、とにかく近くの交番まで連れていく事にした。」

ナオ「ユウくん。」
ユウ「ん?」
ナオ「サンキューな。」
ユウ「んン?」

ナオ ナレ「ボクは少し、なにかから解かれた気がしてた。それはジロであったり、
      学校であったり、母親であったり、そのどれでもないものであったり。」

街へと続く坂道。ゆっくりと周囲の景色にパン。

ナオ ナレ「少し軽くなった気がしたんだ。よく解らないけど。」

ナオ「ジロが一緒に天国へ持ってってくれたんかな?」
ユウ「ンンン?」

少し沈みかけた夕焼け

フェードアウト

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

TITLE 『逝く夏』  #09

脚本
scene#09

閲覧数:64

投稿日:2013/08/27 00:38:36

文字数:659文字

カテゴリ:その他

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