;タイトル画面はtop.png、BGM01です。
;スタートしたらBGMをフェードアウトしつつ、ブラックアウト~001.pngの表示を三秒くらいで行いたいです。
;クレジットはエンドロールではなく、タイトル画面にこう、「スタート」と「クレジット」というボタンを置いて、タイトル画面からページを表示できるようにしたい……です



[playbgm =BGM.03]
最近、保健室を利用する生徒が多い。[r][l]
流行りの風邪かと思ったが、[r]
そうでもないらしかった。[r][l]
今日も保健室を利用する生徒がやってきた。[r][l]
[r]
「…朝ごはんはちゃんと食べたのね…[r]
じゃあ、睡眠時間は?どのくらい?」[r][l]
「……二時間くらい」[r][l]
「二時間!?…はぁ、じゃあただの睡眠不足ね…」[r][p]

[bg storage=002.png]
ちゃんと寝なきゃダメじゃない、[r]
と小言をもらしながら、[r]
手元の保健室利用書にメモを残す。[r][l]
[r]
「……昨日、何してたの?[r]
二時間しか眠れないくらい…何があったの?」[r][l]
「………」[r][p]

[bg storage=003.png]
女子生徒は俯いたまま黙ってしまった。[r][l]
……こういう時は、大抵何か悩み事があるのだろう。[r][l]
思春期にはよくあることだ。[r][l]
[r]
「…何か、悩み事?」[r][l]
「………」[r][l]
「先生に、話してごらん?[r]
大丈夫よ、誰にも言わないから」[r][l]
「…………」[r][l]
「カウンセリングも、保健医の仕事よ?」[r][l]
「………………あのね」[r][p]

[bg storage=004.png]
彼女が俯いたままぽつりぽつりと語る話は、[r]
ひどく不思議な話だった。[r][l]
[r]
「…なるほど?
つまり、その怪談話が怖くて眠れない、と」
「うん……」
「大丈夫よ、その手の怪談話は誰かに話せば大丈夫、[r]
って言うのが定番でしょ?
……それとも私の時代とは違うのかしら……[r]
やだジェネレーションギャップ?」[r][p]

[bg storage=005.png]
「ふふ、だいじょうぶだよ」[r][l]
[r]
少しおどけてみせると、[r]
ようやく彼女に笑みが戻った。[r][l]
……よし、もう大丈夫。[r][l]
[r]
「なら、もう大丈夫ね。私に話したんだから、[r]
もうあなたのとこには来ないわよ」[r][l]
「うん…でも、先生は?」[r]
「あたしは大丈夫よ?ホラ、先生だから」[r][p]

[bg storage=006.png]
「学校の怪談なんて、生徒が主人公なモンよ。[r]
おばけだって、こんなオバサンの所に化けるより[r]
ピチピチの学生の所に化けたほうが楽しいわよ」[r][l]
「ふふ、先生オバサンじゃないよ」[r][l]
「あら、じゃあ怖いわね?気をつけるわ」[r][l]
[r]
そうして二人でくすくすと笑いあう。[r][l]
[r]
「……じゃ、この一時間は寝て、次戻りなさいね」[r][l]
「はぁい」[r][l]
[r]
そう言って、その時間は終わった。[r][p]

[fadeoutbgm]
[bg storage=007.png time=2000]
「……ふう。…やだ、もうこんな時間……」[r][l]
[r]
少しやっかいな仕事をしているうちに、[r]
随分遅くなってしまった。[r][l]
窓の外を見ると、[r]
もうずいぶん日が落ちてしまっている。[r][l]
[r]
「やだ、早く帰らなきゃ……」[r][p]
[r]
ふと、昼間に聞いた話を思い出した。[r][l]
[r]
「あのね……『びょうきのせいと』って……しってる?」[r][p]

[fadeinbgm =BGM01.mp3]
[bg storage=009.png]
その子はね、病気なの[r][l]
病気だから……死んじゃったんだって[r][l]
自分で[r][l]
病気で死んだんじゃなくって、[r]
病気だから、死んだんだって[r][l]
でも……ほんとは病気じゃ、なかった、って……[r]
学校でね、お前は病気だとか、菌を持ってるって、[r]
いじめられてたらしいの[r][l]
それで、自分は病気だから……って[r][l]
それでね[r][l]
死んでも成仏しきれなくって、[r]
今も学校を彷徨ってるらしいの[r][p]

[bg storage=010.png]
[stopbgm]
「私の病気を治して……って」[r][p]

;ここでSEを鳴らすか、フラッシュを入れるか、クエイクを入れるかしたいです。

[bg storage=012.png]
な、なによ……本が落ちただけか…………[r][l]
こんな日はとっとと帰るに限る。[r][l]
そう思って手早く荷物をまとめた時だった。[r][p]

[bg storage=013.png]
「先生」[r][l]
「わ、びっくりした。どうしたの、こんな時間に」[r][l]
女子生徒が保健室にやってきた。[r][l]
[playbgm =BGM02.mp3]
[r]
「先生、あのね」[r][l]
[r]
赤くきつい夕日に照らされて、表情が読めない。[r][p]

[bg storage=014.png]
「どうしたの?」[r][l]
「先生……私…………」[r][l]
[r]
顔に濃い影がかかって、どうしても読めない。[r][p]

[bg storage=015.png]
「先生……私の病気、治して…………」[r][p]

[bg storage=016.png]
どきり、とした。[r][l]
まるであの、噂話の様な……[r][l]
[r]
「病気?何の病気なの?」[r][l]
[r]
少女は俯き気味だった顔を少しだけ上げた。[r][p]

[bg storage=015.png]
「せんせぇ…私のびょうき…なおして…」[r][p]

[bg storage=017.png]
;ここでSEを鳴らすか、フラッシュを入れるかしたいです。
「!!!」[r][l]
[r]
花瓶が、どうして急に…!?[r][p]

[bg storage=018.png]
「せんせぇ…わたしのびょうきぃ…なおしてぇ」[r][l]
[r]
さっきまで数メートル先に居た少女は、[r]
少し目をそらした隙に、私に追いすがるように、[r][l]
[r]
「せンせぇ…わたシのびょうきィ…なおしてぇ…」[r][l]
[r]
すう、と血の気が引いていくのがわかった。[r][p]

[bg storage=019.png]
「ね、ねぇ、どうしたの!?だ、どうしたの!?」[r][l]
[r]
脂汗を浮かばせながら必死に会話を試みるが、[r]
すがる少女は、応えない。[r][l]
[r]
「ねぇ…せンせぇ……」[r][l]
「何、何よ!?」[r][p]

[stopbgm]
[bg storage=020.png]
「わたシのびょうきぃ…なヲしてぇ…」

;ここで2秒くらいウェイトしてから、3秒くらいかけてブラックアウト→タイトルに戻りたいです。

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい
  • 作者の氏名を表示して下さい

びょうきのせいと

かな~~り初期の頃に書いたのを引っ張り出してきました。

一枚絵型(テキスト全画面表示型)です。
縦15行横30文字以内にしている……ハズ。

BGMと背景は自作です。
雑談・相談スレ1651>にて。

閲覧数:74

投稿日:2017/03/29 16:23:46

文字数:3,027文字

カテゴリ:その他

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