「帯人ー、おいで、次の歌だ」
「マスターっ。また作ってくれたんですか?」
「ああ、歌えるか?」
「はいっ」
――――――マスターが居てくれるから。
――――――俺はアナタの為になら何でも出来ます。


「マスター、次の・・・」
「あー、ごめん。もうちょっとで出来るから待っててくれな」
「はい」
――――――俺のマスター。いつまでも待ちます。
――――――アナタの為に俺は…


「あの、マス…」
「悪い、今忙しいんだ。また後でな」
「…はい」
――――――どうすればこっちを向いてくれるんだろう…
――――――忙しそうにしている合間に、少しずつでも俺の曲を作ってくれるマスター。
――――――マスターの邪魔はしたくないから。

-エラーが発生しました。エラーが発生しました。-

――――――耳元で響くエラー音。
――――――何かが壊れる音がした。


「あの、マスター…エラーが」
「今忙しいんだ。悪いケド後にしてくれ」
「…すみ…ません…」
―――ああ、もう俺は要らないの?
―――――マスターの為に出来る事はもうないの?
――――――歌いたい。
――――――――こっちを見て。
――――――――――何で僕を見てくれないの?


-Error : プログラムに異常が発生しています。-


――――――歌を歌うことがマスターの邪魔になるなら…
――――――ごめんなさい、マスター。



-Error : このまま起動を続ける場合、深刻なエラーへ発展する場合が予想されます。-



「帯人ー、おーい、この間は悪かった。何処に居るんだ?帯人ー」
「マスター」

-Error : 致命的なエラーが発生しました。強制終了します。-

「ああ、こんな所に…帯人…?お前それ…」
――――――やっと気付いてくれましたか?俺の包帯の量が増えてるコトに。
――――――ごめんなさい。ゴメンナサイ。
「どうしたんだよこれ…何でもっと早くに言わなかったんだ!」
――――――言おうと思ったケドマスター忙しそうだったから。
――――――俺はアナタの為になら何でも出来ます、マスター。
「ごめんなさい、マスター。エラーが出ました」
「待ってろ、今エラー直して…」
「マスター、今まで有難う御座いました」
「何…言って…」
――――――最期にアナタにしてあげられることはこれしかないから。
――――――マスター、幸せな時間を有難う御座いました。


-プログラムを正常に実行する為のデータの破損により正常に再起動できません。
- アンインストールを開始します。よろしいですか?-
[Yes]
  [Yes]

- アンインストールを実行します。-
- Uninstalling now....Taito  0%-

――――――ねえマスター。この体は所詮作り物<電子>だから。

- Uninstalling now....Taito  10%-

――――――簡単に消すことが出来るんですよ。

- Uninstalling now....Taito  30%-

――――――マスターに振り向いて貰えない存在なんていらない。

- Uninstalling now....Taito  50%-

――――――アナタだけが俺の全てでした。マスター。

- Uninstalling now....Taito  70%-

「マスター、大好――
「帯人!帯…ッ!!」


- Uninstalling now....Taito  90%-
- Uninstalling now....Taito  99%-
- Uninstalling now....Taito  100%-
-アンインストールが完了しました。-

「ぁぁァあアぁああアァぁああぁアアあ―――――――」


大好きです、マスター。
アナタの為なら、何だって出来ます。

最期に一つだけ、俺のわがままを聞いて下さい。



―――ずっとアナタの記憶に残っていたい―――

ライセンス

  • 非営利目的に限ります

大好きです、マスター。

某有名曲に影響受け過ぎてて自分で泣けそう。・゜・(つД`)・゜・。(ぁ)
帯人に合うと思うのです。
と言うか帯人だからこそだと思うのです。
そんな(覚書っぽい)文章。

閲覧数:375

投稿日:2008/11/13 08:58:07

文字数:1,662文字

カテゴリ:その他

ブクマつながり

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