＃１９



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今日も、カイトとメイコは訓練にいそしんでいる


「さぁ！いつでもいいわよ！二人、まとめていらっしゃい？」


ハクが銀色の錫杖(しゃくじょう)をしゃらりとならして、構える


「おい！脚ひっぱんなよ！」


カイトが【蒼天】を振りまわす


「うるさいわよ！カイトがミスしなきゃ、大丈夫よ！」


メイコもカイトに負けじと気合を入れる


「いくぜ！ババァ！」


カイトがまっすぐ、ハクにつっこむ


「はぁ……連携しなさいっていってるのに……」


ハクがため息をつく


「おらぁぁぁぁ！！」


カイトは突進のスピードを活かして、槍を突く

が、ハクはそれをひょいと軽々とよける


そこでカイトはそのまま槍を横払いしようとする

が、それを錫杖で防がれ、カイトの顔にぐいっとひきつった笑顔で近付くハク


「それと……ババァっていうな！！！」


ゴスッ！！！


ハクは錫杖の持っていない方で思いっきり殴る


「チャンス！やぁぁぁ！！」


その隙にメイコが後ろからハクに斬りかかる

けれど、それもひょいとよけられる

そして、メイコの太刀筋がカイトに迫る


「うわっ！あぶっ！！」


カイトがぎりぎりのところでメイコの長刀をかわす


「ばかやろう！あぶねぇだろうが！！」

「はぁ？なによ？文句ある？いっそのこと、斬られたらよかったのに！」


ぎゃーぎゃーと騒ぐカイトとメイコ


ゴスッ！ゴスッ！

当然、鉄拳制裁


「あのね……二人とも、もうちょっと仲良くできないわけ？これから共に戦っていく仲間なのよ？」


ハクは完全に呆れている


「先生！だって……カイトが……」


メイコがしゅんとして、カイトを指さす


「なんだよ！俺のせいかよ！ちがうだろ！」

「ちーがーわーなーいーー」


メイコがカイトにむかって、いーっとした


「はぁ……あんたたち、素材はいいのにねぇ」


ハクはため息しかでない


「大体！お前が弱えのがいけねんだろ！」

「むっかー！私、これでも、かなり成長したんですけど！」


カイトとメイコの口論は、おさまるところを知らない


「はんっ！何が成長だ！俺のスピードにもついてこれねぇくせに！」

「ふんっ！私の方が一撃はデカイとおもうけどなぁ！女の子に負けて、かわいそー」


嫌み連発の両者


「ばーか！世間一般的に、お前みたいなのは、【女の子】とはいわねぇんだよ！」

「カッチーン……こんの……いわせておけば！！もう許さない！」


メイコが刀を振り上げる


「やめなさい！！！」


威圧感をもったハクの声がその場を支配する

カイトとメイコがぴたりと動きを止める



「あんた達には……ほとほとあきれたわ。もう勝手にしなさい」


そういって、ハクはその場から立ち去った




「何怒ってんだ、あのババァ？」


カイトが首をかしげた


「おい！お前！」

「なによ」


二人が睨みあう


「この決着は今度のバグとの戦いで決めよう！敵を多く倒した方が、相手のいうことをなんでもきくっていうのはどうだ！」

「ふふん！いいわよ！望むところよ！」


そういって二人は、ふんっと顔をそむけたまま、それぞれの部屋に帰っていった