scene#03

キャバクラの裏口。昼間。女が押し出されるように、よろけて出てきてコケる。
裏口からハデな衣装数点とバッグが飛んできて、水たまりに落ちる。
ルミ(仮名)「、、っかやろ!何すんだ!」
裏口奥からマネージャーらしき男が出てきてタバコに火をつける。
マネージャー「なんなあ、ねえさん。。。あんた、もうあかんわ。」
ルミ「なに寝言言ってんね?コラ。」
マネージャー「もう何回も言ったハズや。わしらもこんな商売やさかい、キレイ事言ってられんけど、」
タバコを足元に捨て、もみ消す。
マネージャー「客のサイフに手ぇ出したらいかんわ。」
ルミ「はぁ?なんの話や?」
マネージャー「とぼけてもアカンね。防犯カメラに映っとってん。」
ルミ「嘘言え!コラ!あんな暗い中で映るわけあらへんがな!」
マネージャー「最近のは性能エエんよ。。。客には謝っといたさかい、警察には言わんけど、、」
またタバコに火をつける。
マネージャー「もう二度と顔みせんな。」
火のついたタバコを女に投げつける。
ルミ「あ、熱っっっっっ!!!」
マネージャー「言っとくけど、、、」
またタバコに火をつけ、一服吐き出す。
マネージャー「この界隈じゃオマエ有名になりすぎてドコも雇ってもらえんからな。
       テクはダメだが手癖の悪さは天下一品、てな。あはははは!」
マネージャー、裏口奥にはける。

ルミ、タバコの当たったところをさすりながら、
ルミ「チクショウ。。。チクショウ。。。。」
涙を堪えながら、ノロノロ立ち上がり捨てられたバッグに衣装を拾い入れる。
その通りにいたやじ馬に向かい、バッグを振り回しながら
ルミ「見せ物ぢゃネ~んだよ!!!」
身体ごとバッグをぐるぐる回して威嚇しているうちにハイヒールのヒールが折れハデにこける。
やじ馬が嘲笑しながら、離れていく。女はうずくまったまま、カバンに顔をうずめ、
ルミ「チクショウ。。。チクショウ。。。。」

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ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

TITLE 『逝く夏』  #03

脚本
scene#03

閲覧数:67

投稿日:2013/08/27 00:20:17

文字数:880文字

カテゴリ:その他

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