ジャケット

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義眼の涙 offVocal BPM190

義眼の涙

深い眠りから覚めて
わたしは世界を見たの

冷めた肌の人形(ドール)たち
並べられ静かに座る

ヒトはわたしを
抱き上げてくれるのに
どうしてわたしは
きしむばかりで
触れることすらできないの

鼓動 伝う指先
心臓 刻むメロディー
それが歯車なら
自由に動けたかしら?

心臓があったなら
嗚呼

鏡の中の少女が笑うの
「真っ赤な薔薇が咲いてるわ」

鏡の中の少女が歌うの
「真っ赤な薔薇は美しい」



血塗られたビスク
滴る薔薇色 アナタの心臓
この胸で動かすの


血塗られたビスク
ゆえつに微笑むアイアンメイデン
踊り狂ってく


「あなたに一晩だけ命を与えましょう」
突然響いた声
ふと鏡を見ると、そこに映るわたしが不自然に微笑んでいた
真っ赤な口元が歪(いびつ)に裂けて三日月をつくる
彼女は朝が来る前に心臓を奪えばよいと言った
そうすれば、永遠に動き続けることができると
わたしを優しく抱き上げてくれる人間の顔が一瞬だけ浮かぶ
けれども、彼らにとっても心臓が永遠に朽ちないことは幸福なことなのかもしれない
人間は不完全で、いずれ動かなくなってしまう
だから、これからすることは彼らとわたしの救世なのだ
そう、これは世界への愛
冷めた指先が動き始め音をたてて関節が曲がる
自立する義躰
ふと目の前で何かが光った
いつの間にか鏡の前に落ちていた裁ち鋏が白く輝いている
月の光を受けた刃はその鋭利さを鮮烈に主張し、ひどく残忍に笑っている
わたしは鋏を握りしめ、静かに廊下を歩いていく
彼らが眠る扉に手をかけ、ゆっくりと開き、足を踏み入れる
驚きに見開かれる瞳 恐怖に満ちた悲鳴
迷うことなく逃げる背中に一突き
わたしは彼らの目を抉り口を裂き耳を削ぎ死を造形する
赤い絨毯はより深さを増し、その色はダマスク模様の壁にまで広がっていく
そしてわたしは急速に色を失ってゆく装丁を切り開き
白い梯子の奥で鼓動する散りかけの花の蔓を厳かに切断した
狂気が花開く



血塗られたビスク
悪魔の囁き
真っ赤な心臓
永遠に動くの

ガラスの魂
死合わせを抱き
鏡の自分に
口づけて
揺らめく

咲き誇る薔薇と
もう誰もいない
死に絶えた館
朽ち果てた髑髏

血塗られたビスク
愛を振りまいて
今日も踊るの
わたしが作った世界で

鏡の中の少女が笑うの
「真っ赤な薔薇は美しい」

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投稿日:2012/12/14 00:57:23

長さ:04:45

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カテゴリ:音楽

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