右上がりのクセのあるあなたの文字が
黒板に描く恋の歌
紫野行き標野行き
チョークに染まった指先を見ていた

覚えたての愛しさもてあまし
佇む廊下に夕映えが差す
背の高い影を探し求めた
瞳を合わせる勇気もないくせに

色に出でけりわが恋は
教室に響くあなたの声
残り5分 至福の時
夢で逢えるあてさえなく

あなたが教えてくれた
万葉時代の恋を
ノートに書き写した
切ない思いとともに

あなたが大好き
恋の魔法
友だちの影に隠れて
小さく手を振ってみるの

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日曜日の図書館で出会ったあなたは
いつもと同じ眼鏡をかけて
いつもより少しラフな服を着て
分厚い本を小脇に抱えていた

思わず床に落とした便せん
とどめる間もなく拾ってくれたけど
書き連ねたのは万葉の恋歌
あなたはそれに気づいたかしら

色に出でけりわが恋は
顔を上げることもできず
あなたの手を見つめていた
長い指に触れたくなる

あなたが教えてくれた
恋しく思う気持ちを
大事にしまったまま
優等生でいるのよ

あなたが大好き
恋の魔法
勇気をかき集めたなら
何かが変わるといいのに

夢と知りせば覚めざらましを
万葉の恋は時を超えて
私の心を緋色に染める
ぬまたばの夜に吐息をもらす

あなたが大好き
恋の魔法
勇気をかき集めたなら
何かが変わるといいのに

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい
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万葉の恋と私

少女漫画の世界です。

閲覧数:122

投稿日:2018/05/27 14:07:26

文字数:579文字

カテゴリ:歌詞

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