硝子が飛び散った 欠片 目を奪われた
破れた皮膚から 滲む鈍黒(にぶぐろ)い赤
誰もがおののいて 逃げる場所もなくて
うなだれ震える 肩を抱く人もなく

後ろ手に縛られた 革紐は腐った

白と黒を阻む高い壁
超えたかった 無力な僕は
嘲笑うように 高く飛ぶ
あの鳩を 絞め殺したかった

呻きの声がまた 響く重苦しい朝
塞いだ耳にも 届く最後の祈り
静かに見開いた 瞳 色はなくって
わずかな窓から 光 求め続けた

冷えきった独房に 刻まれた独白

エピローグは神の手のひらに
生きたかった 名もない誰か
オリーブの葉 ひとひら落とした
あの鳩を ずっと追いたかった

譫言(うわごと)も溜息も 鉄柵に隔たれ

無垢な身体 今日も悠々と
どこまででも 旋回する
方舟はもう ガラクタだって
あの鳩に そっと伝えたかった
あの鳩を 絞め殺したかった

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい
  • 作者の氏名を表示して下さい

閲覧数:174

投稿日:2011/10/10 23:05:50

文字数:376文字

カテゴリ:歌詞

オススメ作品

クリップボードにコピーしました