明日なんていっそ来なければいいと
何度願ったかわからないけれど
明けない夜の悲しげな叫びに
耳を塞いでは眠れないのです
記憶の底には痛みさえなくて
どこまでもただ、空っぽのまま
行方知れずの彼が恋しい?
もう名前も思い出せないくせにね
透かされた心が誰かを想うのを
まるで他人事のように見ていました
柔く愛らしい赤子の手に触れた時
その温もりが恐ろしくて涙が出ました
ああ、生きている
どうしようもなく、生きている
彼も、この子も、そして私も
狂おしいほどの熱を孕んで
それでも息を、しているのですね
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