明日なんていっそ来なければいいと
何度願ったかわからないけれど
明けない夜の悲しげな叫びに
耳を塞いでは眠れないのです

記憶の底には痛みさえなくて
どこまでもただ、空っぽのまま
行方知れずの彼が恋しい?
もう名前も思い出せないくせにね

透かされた心が誰かを想うのを
まるで他人事のように見ていました
柔く愛らしい赤子の手に触れた時
その温もりが恐ろしくて涙が出ました

ああ、生きている
どうしようもなく、生きている
彼も、この子も、そして私も
狂おしいほどの熱を孕んで

それでも息を、しているのですね

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

息を、

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投稿日:2017/07/07 12:50:04

文字数:254文字

カテゴリ:その他

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