そうやってオフ会は歓談の場となり参加者たちが交流している。当然、雅彦の元にもひっきりなしに参加者が来るが、雅彦自身は場数を踏んでおり、話に応じながらもしっかりと料理などは飲み食いしていた。
「…安田教授」
雅彦がウーロン茶を飲んで一息ついていた所に、高野が神波と彼の量産型のミクを伴ってやってきた。
「やあ、同人即売会以来だね」
そういって三人に握手する雅彦。
「ティーエフPの新作、良かったと思うよ」
「ありがとうございます!」
「…三人とも、今日はどうだった?」
「今年はひときわ力が入っていた気がします」
「そうだね。ミクは特に気合いが入ってたからね。…確か二人は会場に来たのは今回が初めてみたいだけど、楽しめたかな?」
「はい、凄く感激しました!」
量産型のミクが嬉しそうにいう。
「…確かに、家で見るのとは違っていた気がします。たまには会場に足を運んでも良いかな、と思いました」
「…マスター、たまになんて言わないで、もっと来たいです」
「確かに良かったけどさ、僕はたまにで良いかな」
そんな二人を見て、微笑む雅彦。
「どうされたんですか?」
「…いや、昔のミクを思い出してね」
「ワンオフのミクさんですか?」
「ああ、本当に昔の話だけどね」
「…確かワンオフのミクさんもシンのミクちゃんと同じデフォルトの性格でしたよね?」
「そうだね。基本的に何も変更しないとそうなる。ただ、僕と一緒に住んでいるミクたちは長生きだからね。色々と経験を積んで、性格は変わってきてるよ」
「どう違うんですか?」
興味津々といった感じで量産型のミクが尋ねる。
「ミク…」
量産型のミクに注意しようとする神波を手で制する雅彦。
「それ位構わないよ。…そうだね、色々変わったと思うけど、一言でいうと、大人になったと思う。性格は達観してきたかな」
「大人に、ですか?」
「ああ、長く生きてきたのもあるけど、僕と一緒にいたせいだと思う。逆にいうと、僕もミクたちと一緒にいたから変わることができたと思う」
「…あ、そうだ。安田教授、今回のライブのテープはお持ちじゃないですよね?安田教授用にテープを持ってきました。要人席だと逆立ちしてもテープは届かない位置だと思うので」
そういって持っていたテープのうちの一枚を差し出す高野。
「…ああ、ありがとう。感謝するよ」
「…それでですね、できればこのテープに安田教授のサインをお願いしたいんですが…」
そういって手に入れた自らのテープを差し出す三人。
「…ああ、構わないよ」
そういって、ささっとサインする雅彦。
『ありがとうございます』
その様子に周囲から一斉に視線が集まる。
「…僕のサインで良ければ書くけど?」
空気を察して、そう提案する雅彦。すると参加者は一斉に自分の荷物の中にあるテープを取りに行く。
「…全員書くから慌てなくて良いよ。まあ、僕のサインなんて大して価値はないだろうけどね」
実際、このような場では雅彦はかなり気楽にサインに応じてくれるので、雅彦のサインを持っている人間はかなり多いのは事実だった。しばらくすると、雅彦の前に列が形成された。そうして雅彦は慣れた手つきで手早くサインしていった。
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