その女子高生三人は、リリィちゃんが亡くなった事をその時は知らなかったんだろうね。彼女の死については、会話の中には全く出てこなかった。

私はその女子たちの会話を、バカみたいだなって思ってた。
女子高生三人が、冗談を交わして雑談だけに思った。でも今思えば、そんなバカらしい事も信じてしまうかもしれない。
もし脅された、というのが本当だったとしたら?
ナイフで脅されたから仕方なく、ミクって奴と付き合ってたとしたら?

……。

やっぱり、それでも私はその男を許す事はできそうにないよ。
脅されて仕方なく、なんてのは言い訳だからね。リリィちゃんじゃなく、自分の身の安全を選んだ事に変わりはないんだ。
それが本意でなかったにしても、リリィちゃんに辛い言葉で別れを告げたり、目の前で別の女の子とキスしたのは事実なんだから。
それのせいで、リリィちゃんは彼氏に本当に裏切られたと信じてたんだ。ミクとキスした事が偽りだったとしても、彼女の心には痛く響いたはずだよ。
そうして多分それがきっかけとなって、リリィちゃんはこの世からいなくなった。
だから私は彼を許す事は、おそらく一生出来ないね。


あ、ねぇ。そういえばお客さん。
お客さんは死にたいんだったよね。
この話を聞いてそれでも死にたいって思ってるかい?今一度、その言葉を口に出して言ってみな。
「死にたい」って。その言葉に確かな重みはあるのかい?

彼女の心の痛みに比べて、自分の方がまだマシだと思うようであれば、アンタはまだまだいけるはずさ。

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

セルフ・インタレスト ―あとがき― 3/3 (おわり)

誤字脱字、ストーリーの矛盾点などありましたら教えていただけると助かります……。


スミマセン今回無駄に長くなりました。読みづらくなってスミマセン!!
色々突っ込みどころありますよね……。

あ、ルカ、グミ、ハクの会話シーンはあえて台詞だけにしました。
メイコの解釈を入れるより、そのまま台詞を読んでもらった方が良いと思ったので。ただこの三人で余計な漫才してたら長くなりすぎた。
リリィの書いてた歌詞なんかも、実は物語に関連させようとしてたけど、あとあとになって考えて、これはいらないやって処理しました……。リリィゴメンね(´・ω・`) 


話のテーマは「エゴイズム」です。作中に出てきたミクというのは、いわばエゴイズムの権化です。ミクとしては本当にカムイの事が好きだったんだけど、その愛情が歪んじゃったのか、どうしても手に入れなければ気が済まなかったようです。たとえ好きな人の気を害したとしても。エゴですね。
今回はそのエゴイズムを徹底的に書き表そうと思いました。その結果ミクさんの性格がひどいことに……。
エゴイズムをテーマにした話といえば、漱石先生の「こころ」ですね。
私も一部しか読んでいないのですが、それに感化されて今回この物語を書いてみようと思った次第でございます。
ただ、思った通りに行かなかったり、収拾がつかないことも多々あり。
コメディは書いてて凄く楽しいんですけれどね…、この重いテーマの小説にそれが何回も登場する訳もなく。書いてて全然楽しくなかったです。おそらく矛盾点とか、探せばあったりしちゃいます。念入りに確認しましたが、それでも色々ぼろは出てくるというものです。
そんなこんなで私の書いた物語はまだまだ駄作です。最後まで読んでくれた方いたら嬉しいな。そんなのないだろうけど!!だって、僕は友達が少なry。


もー次は絶対コメディ書く!!誰が何と言おうとコメディ書く!
ぶっちゃけ、物語最後の女子高生三人組はコメディで遊びました。
出番少なくてゴメン、ルカさんハクさんグミさん。


閲覧数:70

投稿日:2012/08/05 16:15:19

文字数:645文字

カテゴリ:小説

オススメ作品

クリップボードにコピーしました